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囚華(追加プレ分)
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菫(f14101)と (1章) 鬼灯の淡橙に添うように進み 月を映す蓮池の傍ら 骸魂と囚えた様々な檻が並ぶを見遣れば 苦々しげに眉を顰め (2章) 闇に溶け飲み込まれる 血の匂い、赫い雫が蝕んでゆく 唯一闇を照らす淡く燈る血彩の耳飾りは 嘗て俺を包み込んでくれた欠片 けれど、今はもっと近くに優しいひかり 其処に在ると信じさせてくれたから 菫、死なせないよ、 我が子が為、親は身を差出すは道理なんだろう? 噫、そんなもの、存在する筈がないと思っていたのに 大切、なんだ。惜しくはないと思える。 今ならきっと、理解るから 眸を閉じると浮かぶ、最期まで貫いた貴女の想いを、願いを ――けれど、無情に奪われるは 繋ぐ掌がするりと自身の元から離れ 咄嗟手を伸ばしても届かない ――菫…! 荒げた音も、赫滲む 如何して脚は動かないの 如何して君を呼ぶ声は出ないの 何故、俺からいつも、奪うの 昏く翳む先、君の眸の雫は 必死で伸ばし愛し者へ辿り着けなかった指先だけ濡らす 空を裂いた手のひらは力無く落ち 握り締めた拳から血が滴ってゆく 菫色を宿す桜の花びら一枚、 足元に転がるは簪、彼女の本体 拾い上げて、体中の血の気が引いてゆく感覚 自分が今、立っていられてるか解らないまま 壊れる、歪む、崩れてゆく 狂ったような慟哭は闇の中で響いて また、俺は眼の前で何も出来ずに失くすのか まだ、あの日のまま檻の中で蹲っているのか ……否、絶対に赦すものか、と 奪われたのなら奪い返せばよい 囁くはもうひとりの隠れ棲む獣の俺 簪を握りしめたまま桜は嗤い月を翳した
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