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菓子パン化ピン『調理後』まとめ
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■在原・チェルノ大成功 ■二尾・結 大成功 ■晶津・紫と晶津・黄花 ● 猟兵達によってカフェーが盛況する中、1つのテーブルを囲む少女達がいた。 「ユカ姉、クリームソーダが来たデスよ。」 「鮮やかな紫色……なんだか、飲むのがもったいないね。」 同じアメトリン原石から生まれた姉妹のヤドリガミである晶津・紫(魔法戦士ジュエル・アメジスト・f26919)と晶津・黄花(魔法戦士ジュエル・シトリン・f26920)だ。 今回の事件では美術商が私腹を肥やす為に数多の一般人が美術品にされて売り捌かれているという。それを聞いた二人は今回の依頼に参加する事にした。 ヤドリガミとなる前、紫と黄花は宝石の指輪として様々な人の手を渡り歩いてきた。他者の手に渡るまでの経緯は黄花と紫とでほぼ真逆であるものの、所有者の都合に振り回される大変な日々であった。 ヤドリガミとなるまでまともな思考を持っていたかも怪しい二人ですらそう思うのだ。無理矢理美術品にされた一般人がそんな境遇に置かれれば大変を通り越して発狂してもおかしくはないだろう。 既に売り払われてしまった一般人を助ける事は難しいかもしれない。それでもこれ以上一般人が犠牲になる前に美術商と影朧を止めなければならないと二人はサクラミラージュへと飛んだ。 「……ん、美味しいデス♪ ユカ姉のも飲ませて欲しいデス! アタシのも飲んでみるデス?」 「う、うん…んきゅ、えへへ、おいしいね……♪」 ここまでは至極真面目に語ってきたものの、今の二人はカフェーでクリームソーダを堪能していた。自身の色に合わせるかのように紫はグレープ味を注文し黄花はレモン味を注文した。 そして、紫と黄花は互いのクリームソーダを代わる代わる飲んでゆく。その様はまさに仲の良い姉妹であり心なしか甘い空気すら漂っていた。 ● 「ユカ姉、レモン味は美味しいデスね。」 「グレープもいいお味だよ、オウカちゃん。」 仲睦まじくクリームソーダを分け合う紫と黄花。しかし、突如として二人の頭上に影が差した。 不思議に思った二人が上を見上げてみればそこには美術商が立っていた。クリームソーダに夢中になりすぎて二人は美術商の接近に気づかなかったのだ。 突然現れた美術商に紫は驚き咄嗟に黄花の後ろに隠れてしまう。黄花もそんな紫を庇う様に美術商の前に一ドルと美術商に問い掛けた。 「っ!? だ、誰かな?」 「アタシ達に何か用デショウカ?」 「……驚かせてしまったようですね。少しお話がしたいのですがよろしいでしょうか?」 美術商はそんな二人に苦笑しながらも優しい口調で美術品のモデルを探している事を話始めた。 「可愛いお二人ならきっと芸術家達も喜んでくれます。是非とも美術品のモデルになってくれませんか?」 「ふぇ? モ、モデル?! 可愛いってそんな……。」 「モデル、デスか。にゅふふ、アタシとユカ姉の可愛さなら仕方ないデスね。良いデスよ♪」 事件の元凶である美術商に紫は警戒を隠せずにいた。しかし、美術商が説明の最中に頻りに容姿を褒め称えられる内に顔を赤らめ次第に警戒を和らげてゆく。 だが、数多くの商人の手を渡り歩いてきた黄花はそれが美術商の策である事に早々に気が付き、気を良くしながらも警戒を緩める事はなかった。 それでも館に招いて貰う事が目的である以上、黄花も警戒を見せる事無く美術商の提案を受け入れた。 「それでは、奥の部屋で詳しくお話をしましょうか。」 美術商は提案を受け入れた二人に仕事の詳細を話す為にカフェー奥の個室へと案内するのであった。 ● 「さて、最後にお二人は武器に成りそうな物を持っていませんか?」 美術商によるモデルの仕事の打ち合わせは、途中お金にうるさい黄花が報酬についてごねるというトラブルこそ起きたが無事に終わった。 そして、美術商は申し訳なさそうに二人に武器の所持を確認してきた。事前に知らされていたとはいえ本当に美術商が聞いてきた事に二人は内心呆れた。 「いやいや、アタシ達まだ小学生デスよ? 武器何て持っているわけないデスよ。」 「お二人がそう思っていなくても実際は武器に成り得るものもそれなりにあるのですよ。決して壊したりしませんので確認だけでもさせてくれませんか?」 黄花は中学に入る前の子供が武器何て持っているわけがないと手荷物確認を断ろうとした。しかし、美術商はもっともな理由をつけてそれを却下した。 「仕方ないデスね……。」 「……近頃の子供はこんなものを持っている物なのでしょうか?」 これ以上食い下がれば仕事の話自体がなかった事にされかねないと考えた黄花は渋々ジュエル・スレッジを取り出すとテーブルの上へと置いた。 美術商は何処からともなく黄花の身の丈に迫る巨大ハンマーに顔を引き攣らせた。それでも直に立ち直ると他の荷物の確認を進めてゆく。 「流石にこれを武器何て言わないデスよね? これ、ワタシの家族がプレゼントしてくれた大切な物なんデスよ。」 「見た事もない貨幣ばかりですね。実に興味深い……。」 黄花はジュエル・スレッジを置いていく事になった事を内心悔みながらも魔術の知識のない物には只の貨幣でしかないエンハンスド・コインズの持ち込みは無事に成功した。 ● (レイスリッパーは普段影も形もないから大丈夫……。) 美術商と口論を繰り広げる黄花を傍目に紫は自身の背後を漂っているであろう[レイスリッパー]を見上げた。レイスリッパーは正面からの戦いが苦手な紫を守る沢山のガラスの刃だ。 レイスリッパーには特殊な仕掛けが施されており、専用の魔術を行使しない限り幽霊の如く影も形も存在しない。紫が自ら明かさない限り美術商にその存在がばれる事は無いのだ。 そうこうしている内に黄花の持ち物検査が終わったのか美術商は紫に視線を向いていた。レイスリッパーを除けば特に咎められないと考えていた紫は特に抵抗することなく持ち物を美術商へと晒してゆく。 だが、ジュエル・シクルートを見せた所で美術商は顔を顰めた。紫の器物の湛えた『呪いの指輪』の象徴とも言えるジュエル・シクルートから漂う不穏な気配を美術商に気取られたのだ。 「紫様、これは一体……?」 「これ? し、趣味のフルートだけど…ブキミ?」 ジュエル・シクルートを咎められると思わなかった紫は慌てながらもこれは楽器であると弁解する。しかし、ジュエル・シクルートはフルートというには聊か大きく美術商は半信半疑といった様子だ。 このままではジュエル・シクルートを置いていく事になるかもしれないと考えた紫が次に取った手は実際の演奏する事であった。 「……怪しいなら、一曲披露すればいいのかな。」 紫はジュエル・シクルートを構えると即興ながらも本格的な演奏を始める。普段なら魔力を籠める事によって精神攻撃が可能となるのだが、流石に今回はしない。 暫くして演奏が終われば美術商は紫に拍手をした。その眼差しからはジュエル・シクルートに対する疑いが晴れていた。 「いやはや、見事は演奏でした。確かにそれはフルートの様ですね、疑ってしまい申し訳ありませんでした。」 「……分かって貰えたなら大丈夫だよ。」 最後の最後で危うい所はあったものの、紫も無事に館へ武器を持ち込む事に成功するのであった。 ● 「それでは、お二人を館へと招かせて頂きます。つきましては私の手を握り目を瞑って頂けますか?」 「了解デスよ。さぁ、ユカ姉も手を握るデスよ。……ユカ姉?」 「うぅ……オウカちゃん……やっぱり怖いよ……。」 美術商は二人を館へ招く為に手を差し出した。この手を握り、目を瞑れば館へと入る事が出来るのだろう。 黄花は早々に美術商の手を握ったが紫はなかなか握ろうとしない。黄花が不思議そうに振り返ってみれば紫の顔は不安と恐怖に染まっていた。 紫は影朧の館へと突入する直前になって初めての戦いで自身が晒した醜態を思い出してしまったのだ。 あの時は妹のお陰で最悪の事態だけは避けられた。しかし、今回もそうなるとは限らず、嘗ての所有者達の様に黄花も危険に晒してしまうのではないかと考えてしまったのだ。 「……少し待ってて欲しいデスよ。」 黄花はそんな紫の様子に苦笑すると握っていた手を放し紫の元へと近づいてゆく。そして、小声で囁きながら紫の手を握った。 「……ユカ姉、大丈夫デス。何があってもアタシが守ってあげるデス。」 「オウカちゃん、ごめんね……信じてるんだよ。」 紫も黄花からの励ましに勇気を振り絞り、黄花の手をぎゅっと握ると仲良く美術商の元へと歩み始めた。 「待たせてすまなかったデスね。」 「……ごめんなさい。」 「いえいえ、時間はまだまだありますので大丈夫ですよ。」 紫と黄花は互いの手を握り合いながら、もう一方の手で美術商の手を握ると両目を瞑るのであった。 ■天星・雲雀 ● 「生きた人間を美術品の材料にするのは、今すぐやめさせたいですね。」 今回の事件の概要を聞いた天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)がまず思った事は影朧の凶行を止めなければならないという事であった。 今回の件に関わる影朧達はその多くが自身の作品を認められる事のなかった芸術家だという。 確かに影朧達の境遇には同情の余地があるのかもしれない。しかし、だからと言って生きた人間を美術品の材料にして良いわけがないのだ。 「人が材料の美術品なんてグロいし、犠牲者の方が浮かばれません。」 グリモア猟兵からは美術品にされた者達についての詳細は聞かされていない。だが、もしも意識が残っているのであればただの物として扱われ何処とも知れぬ者に売り捌かれるなんて地獄でしかないだろう。 助ける事が出来るのかは不明だが、可能であれば美術品にされたい犠牲者達を助けたいとも雲雀は思っていた。 「……でも、手遅れのお人形さんがいたら、こっそり自分のコレクションに御迎えしたいかも……。」 ただ、犠牲者の中にビスクドールにされた者がいる事を知った時に僅かながらもお持ち帰りしたいと思ってしまったのは人形遣いの本能故に致し方ない事だろう。 ● 「白昼堂々勧誘するとは肝が据わっているというべきなのでしょうか?」 雲雀はカフェーの一角でメロン味のクリームソーダを美味しくいただきながら呆れる。 視界を少し右に逸らせばそこには精力的に一般人や猟兵を勧誘して回る美術商の姿が見える。更に視界を左に逸らしてみればそこには帝都を巡回する警邏の姿が見えた。 まともな精神の持ち主なら警邏が巡回するような場所で勧誘という名分を利用しているとはいえ人攫いをしようとは考えないだろう。 或いは万が一警邏に囲まれても容易に逃げられる程に美術商の持つユーベルコヲドが強力なのかもしれない。 「これは対応に注意した方がよさそうですね……。」 もしも雲雀が帝都桜學府の超弩級戦力として期待される猟兵であるとばれれば美術商は即座に逃げてしまうだろう。 雲雀は改めて美術商の意識しすぎないようにクリームソーダをいただく事を再開した。 「えっと、少しお話大丈夫ですか?」 「大丈夫ですが……誰を探しているのですか?」 暫くして美術商が雲雀に声を掛けて来たのだが、どこか様子がおかしい。他の一般人と比べて口調が妙に優しいのだ。 更に頻りに辺りを見回しており、まるで誰かを探しているかのようであった。美術商の不可解な行動の理由は直ぐに判明した。 「今は1人みたいだけど、お父さんやお母さんは何処に行っているのかな?」 「っ!? 自分は成人しています!」 あろう事か美術商は雲雀の事をカフェーでお留守番する子供と認識していたのだ。 確かに雲雀の幼い容姿に可愛らしい着物を着ている事をから美術商が祝い事の帰りの子供と誤認しても可笑しくはない。それでも雲雀は99年の時を生きた立派な大人の妖狐なのだ。 「こ、これは申し訳ありませんでした。あまりにも小さく可憐でしたので勘違いをしてしまったのです。」 「そんなおべっかを使っても自分は誤魔化されませんよ! それで、自分に何の用ですか?」 雲雀は憤慨したがここで怒りのままに攻撃すればそれこそ美術商に逃げられてしまう。 なので雲雀はこの後行われるであろうモデルの仕事の説明の際に色々吹っ掛ける事により怒りを晴らす事にした。 ● 「これは……見た事のない模様ですが何に使う物なんでしょうか?」 予定通り、モデルの仕事の説明の最中に色々と有利な条件を引き摺りだした雲雀は手荷物の確認を受けていた。花札は当然の如く持込を許され、次に美術商が調べ始めたのは雲雀の獲物である媒介道具だ。 雲雀が妖術を使う際に用いるそれは相応の知識がなければただの模様の刻まれた石にしか見えない。当然、美術商にその手の知識はなくただ首を傾げるばかりだ。 「実は自分、占い師でしてその石は占いに使う道具なんです。折角ですからあなたの事を占ってあげましょうか?」 「興味深いですね。是非ともお願いします。」 雲雀は詠唱をしながら媒介道具を宙に投げた。勿論、雲雀は占い師ではないので詠唱は適当だし、媒介道具を投げたのも何となくに過ぎない。 それでも手慣れた様子で媒介道具を受け止めると続けて石をテーブルの上に無造作に転がしてゆく。そして、テーブルの上に転がった媒介道具を様々な角度から覗き込んでゆく。 「……なるほど。結果が出ましたよ。」 「おぉ、どんな結果でしたか?」 「その、少しいい辛いのですが近い内にあなたは破滅するかもしれません。」 「なんと!? 防ぐ方法はないのですか?」 美術商は雲雀の占いの結果に驚愕し追いすがった。その態度はわざとらしく雲雀の占いを信じていない事は明らかであった。 雲雀としても信じられない事が前提で話しているので全く問題はない。占いはあくまでも美術種の気を引く為のパフォーマンスなのだ。 「うふふ、防げるかは分かりませんが今日のあなたのラッキーアイテムに『黒い狐』。丁度あなたの目の前にいますよ。」 「はははっ! これは一本取られましたよ。私が破滅しない為にもあなたには是非ともモデルの仕事を受けて頂かないといけませんね。」 美術商は雲雀の小粋な売り文句に大笑いすると喜んで雲雀を館へと招いた。 こうして猟兵達は美術商の館へと招かれる事に成功した。同時に雲雀の占いで出た美術商の破滅が過程はどうあれ真実となる事が確定した瞬間であった。
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