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【仮プレ】外宇宙への出航~See You Again
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フィーナとシズホ ■ 「まさか、人形達まで幼児化するとは思いませんでした。まぁ、」 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)はお供として連れて来た人形達と共に洞窟を突き進む。その姿は普段とは違い幼い幼児になっている。 後ろからは【自律絡繰人形】で生命を与えた絡繰り人形達が追従しており、人形達もシズホと同様に幼児化していた。 そして、シズホと人形達は洞窟を進みながら作戦会議を始めた。 「これはまた蜘蛛糸の能力と相性が良すぎるのが……。」 今回の相手であるティタノミルマは歌を通じて相手を幼くしてくるという。 普段なら行動不能に陥るまで多少の猶予があるのだが、今回は時蜘蛛の力により既に幼児にまで退行してしまっている。 今の状態で歌を聞けば瞬く間に歩く事も儘ならなってしまうだろう。相手の能力に対して人形達も次々と意見を出してゆく。 「……なら、歌には歌で行きましょう。わたしの歌なら相殺できる筈。」 「歌うと仔蟻達を引きつけるのでは?」 「なら、準備が整うまで歌を聞こえなくすればいい。私達ならそれが可能だ。」 シズホは人形達と相談を勧めてゆく。そして、最終的な作戦は以下の様になった。 ①人形組は聴覚を絶つ事により歌声による幼児退行を防ぎ、ただの人形として振舞う事により母蟻の警戒から逃れる。 ②シズホは人形組を抱えながら母蟻と接触、母蟻の懐に飛び込む事を試みる。 ③母蟻の隙をつく形で人形組は攻撃を開始、攻撃後はシズホを連れて即時撤退する。 本来なら人形達に守られるべき本体が真っ先に囮になっている辺りに矛盾を感じるがそこは被虐願望を抱えるシズホなので問題はなかった。 「作戦も纏まったし洞窟の最奥が見えてきましたね。それでは、よろしくお願いします。」 こうしてシズホはただの人形のふりを始めた3人を抱えて光の溢れる方向へと足を進むのであった。 ● 「これはまた凄い光景ですね。さて、お母さん蟻は一体どこにいるのでしょうか?」 洞窟の最奥に到達したシズホは目の前に広がる光景に感嘆する。だが、シズホの目的は母蟻の討伐であり遊ぶ事ではない。 誘惑に駆られながら母蟻を探し始めたシズホだが母蟻は直ぐに見つける事が出来た。広場の中心で沢山の仔蟻に囲まれたティタノミルマ・マザーが今まさに歌を歌い始めようとしていた。 「ま、まずい、早く彼女のもとに……むかわないと……きゃっ!?……あれ……わたちなにちにきたんだっけ?」 慌ててティタノミルマ・マザーの元へ駆け寄ろうとするシズホの耳に優しい歌声が潜り込んでゆく。 シズホは段々と頭がぼんやりとして足取りが覚束なくなってゆき転んでしまった。 柔らかな地面に倒れ込んだシズホの姿は更に幼くなり自身が何をし来たのかを忘れてしまっていた。 そして、転倒したシズホを見つけたティタノミルマが慌てて駆け寄ってゆく。 「まぁ、大変だわ! 大丈夫? 怪我はない?」 「うぅ? わぁい、ままだぁ! わたちはだいじょーぶだよ!」 「転んでも泣かないなんてあなたは強い子なのですね。ご褒美として撫でてあげましょう。」 「ままぁ、わたちをもっとこどもにちてぇ。ありしゃんにちてぇ。」 ティタノミルマは転んでも泣く事はなく元気よく返事をするシズホに笑みを深めると優しく抱き上げると頭を撫で始めた。 抱き上げられたシズホも歌に籠められた力の影響でティタノミルマに魅了され、舌足らずな声で彼女の子供になる事を望んでしまう。 そして、シズホを抱えたティタノミルマはシズホのおねだりに笑みを浮かべると背中に生えた4対の腕から糸を出しシズホを包み込み始めた。 ● 「子供のお世話が好きなお母さん蟻なんですね。」 シズホが繭に包み込まれた頃、新たに洞窟に足を踏み入れる者がいた。フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)だ。 フィーナは洞窟内を楽しそうに遊びまわる仔蟻達を見て思わず頬を緩ませた。しかし、広場の中心で繭から頭を出した仔蟻……シズホの成れの果てを愛でるティタノミルマを見て顔を顰めた。 「でも、蟻さんになっちゃうのは困ります。せめて、せめて、子供のお世話で満足して消えていってくれればいいな……。」 一先ずはティタノミルマが歌っていない事に安堵するフィーナ。ふと視線を感じて辺りを見回してみれば視線は地面に横たわる人形達から来ている事に気が付いた。 それらの人形がただの人形ではない事に気が付いたフィーナは3体の人形を抱えるとティタノミルマの元へと向かう。 そして、仔蟻達をかき分けてティタノミルマの元へと辿り着いたフィーナはティタノミルマへと声をかける。 「ねぇ、わたしとおうたをうたいましょ!」 「いいわよ。折角だから皆仲良く歌いましょう!」 ティタノミルマはフィーナのおねだりを快く受け入れ、周囲にいる仔蟻達にも呼び掛け始めた。 フィーナは歌が始まる僅かな間に人形達をティタノミルマが良く見える位置に置くと清楚な衣装を纏いカスタネットを握った。 『そこがどこであろうと! このうたをとどけるの!』 程なくして始まった蟻達の合唱に対しフィーナはカスタネットを打ち鳴らしながら歌を歌う。 今のフィーナは幼児化により歌唱力が大きく落ちている。しかし、幼児特有の純真無垢な心が歌声に籠められた破魔の力を強めていた。 フィーナの歌とティタノミルマの歌声がぶつかり合い、籠められた魔力を打ち消してゆく。 状況は拮抗しているが次第にフィーナは追い込まれてゆく。気が付けばティタノミルマに抱き上げられて身動きが取れなくなっていたのだ。 ティタノミルマは歌う事を優先しているのか繭が飛んでくる気配はない。しかし、このままではフィーナが歌い疲れてしまうのも時間の問題だろう。 だが、洞窟内で合唱が響き渡る中動き出す者達がいた。ミルマが生命を与えた人形達だ。 ● (すっかり仔蟻ちゃんになっているけど、アレ後で元に戻る?) 各々の役割を果たす為に移動を始めたマジェスとバルを見送りながらミコはティタノミルマに抱き上げられ楽しく歌うシズホを見上げる。 自分達が動けている事からシズホが生きている事は確実だ。だが、仔蟻状態のシズホは最早シズホとは言えないだろう。 シズホが仔蟻のまま元に戻れないのではないかとミコに不安が募ってゆく。 (あぁもう! 難しい事を考えるのは後! 今はご主人様を助けるのが先決!) ミコはこのままでは不味いと考える事を中断した。そして、マジェスとバルが位置についた事を確認すると自身に課せられた役目を果たし始めた。 「わたしも歌に混ぜなさい!」 洞窟に響き渡る合唱に新たにミコの歌声が加わる。だが、ティタノミルマも歌う者が増えても気にも留めない。 だが、ミコの歌声に籠められた魔力はティタノミルマの歌声に籠められた魔力とぶつかり合いその効果を相殺していく。 そして、ミコの歌声により幼児化の恐れが亡くなったバルとマジェスが動き始めた。 「~~♪ ぐふっ!?」 「ご主人を返して貰うぞ。」 手始めに風を放出してティタノミルマに急接近したマジェスは勢いそのままにティタノミルマのお腹を蹴り飛ばした。 その力は普段とは比べ物にならない程に弱いが歌う事に夢中なティタノミルマを怯ませるには十分であった、 そして、怯んだ事により宙に投げ出された投げ出されたシズホとフィーナを素早く確保したマジェスは洞窟の出口に向けて移動を始める。 「わたしの子供を何処に連れて行くの!?」 我が子を連れ去ろうとするマジェスを捕らえようとティタノミルマは腕を伸ばす。しかし、それはバルの放つ弾丸に阻まれた。 そして、二人を抱えたマジェスとの合流に成功したミコはバルを殿に撤退を始めるのであった。
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