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【仮プレ】外宇宙への出航~See You Again
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● 「何とか元には戻れたデス……。」 「うぅ……ごめんね、オウカちゃん。」 彫刻家の影朧を鎮めようとした紫と黄花の姉妹。しかし、捜索先を見誤った為に影朧の奇襲を受けてしまい二人は彫刻にされてしまった。 その結果は影朧の潜伏先を自信満々に黄花に語っていた紫を失意の底に突き落とすには十分であった。 「アタシ達も元に戻れたし、影朧達も無事に転生をしているのだから結果オーライデスよユカ姉、だから気を取り直して最後の影朧やっつけに行くデス!」 「……そうだね、いつまでも落ち込んでいたらダメだよね。オウカちゃん、ボク頑張るよ!」 放っておけば何処までも沈んでいきそうな紫を黄花が必死に慰めながらも二人は最後の影朧、陶芸家の作業場の扉の前に立つ。扉には陶器で出来た錨が吊り下げられている。 この随所に人の意匠の浮かび上がったその錨は陶芸家に挑むも返り討ちにあった猟兵の成れの果てであるという。二人は陶芸家に敗れた場合に辿る事になる末路を想像し身を震わせた。 「オウカちゃん……ボク達、本当に勝てるのかな?」 「大丈夫デスよユカ姉。真っ向勝負ならアタシ達が力を合わせる限り負けないデスよ!」 紫が不安げに黄花を見上げれば黄花は笑顔で紫の抱えている不安を晴らしてゆく。事実、同じ原石から生まれた姉妹である紫と黄花は言葉を交わすまでもなく自然に連携を取る事が出来る。 前衛と後衛で役割分担も明確な二人は万全の状態であれば自分達よりもはるかに強い敵が相手でも戦える程のポテンシャルはあるのだ。 「それじゃあ、いくデスよ!」 黄花の掛け声と共に二人は陶芸家の作業場へと突入した。 ● 「おぉう……これは凄いのデス。」 先陣を切った黄花は部屋中に置かれた陶芸品に感嘆の声をあげる。嘗ては富を呼ぶ指輪として様々な商人の手を渡り歩いてきた黄花には人並み以上の鑑識眼が育まれている。 そんな黄花から見ても陶芸品が素晴らしい物であるという確信が持てた。一見すると不格好に見える物も少し見方を変えれば途端に魅力が沸き上がって来るのだ。 「これは生半可な想いでは作り出せないデスよ……。きっと、作品1つ1つに情熱が注ぎ込まれているですよ。」 「嬉しい事を言ってくれますね。確かにわたしは作品を作る際に方向性こそ時々により違いますがも毎回全力を注いでいますよ。」 黄花の呟きを聞いて二人を品定めしていた陶芸家が喜びの声をあげる。陶芸家の言動に偽りは感じられず、作品一つ一つに情熱を注ぎ込んでいるのは事実の様だ。 始めの内はただ黄花と陶芸家の討論を傍らで見守っていた紫だが、勇気を振り絞ると会話に加わった。 「……芸術の道を突き詰めたい……信条自体は好きだよ。」 「あなたも分ってくれますか。芸術家の道に終わりはなくただ精進あるのみです。」 紫の言葉に陶芸家は更に機嫌が良くなってゆく。しかし、それに対する紫の顔は悲痛なものになっている。 確かに紫は芸術家の在り方を応援してあげたいとも思っている。しかし、それを邪魔する要素が陶芸家の作品にはあった。 「やっぱり、ヒトを材料にするのはダメだよ。……だって、知ってしまったら、先入観で作品を観られないもん。」 そう、この作業場に置かれた陶芸品は全て人間を材料に創り出された悍ましい逸品なのだ。美術品に対する鑑識眼を持ち合わせた黄花は人が材料である事を差し引いても陶芸品を素晴らしい物として見る事が出来た。 しかし、不吉な指輪として様々な人の手を渡り歩いてきた紫には鑑別眼が養われていない。故に紫には工房内の陶芸品が元は人であるという前提が前面に出る為に悍ましい代物のであるという認識しか抱けずにいた。 「あなたは素晴らしい作品を作れる素材を使うのが駄目だというのかな?」 「そうだよ。いくら素晴らしくてもその陰で悲しむ人が生まれる作品なんて、ボクには認める事が出来ないんだよ。……アメジスト・ジュエル・リリース……ッ!」 「その点はアタシも同意デスよ。芸術にも越えちゃいけない一線はあるデス。……だからここで止めるデス! シトリン・ジュエル・リリース!」 二人の言葉を聞いた陶芸家は先保徒とは一転して悲しみに染まってゆく。そして、二人に向けて両手を構えた。 対する紫と黄花もその指にはめた器物である指輪を構えると詠唱を始める。そして、詠唱が終われば二人は光に包まれ、魔法戦士『ジュエル・フラワーズ』としての姿を露わにした。 「……あなた達とは分かり合えると思ったのだけど残念です。せめてもの情けとしてあなた達は二人で一つの作品にしてあげましょう。」 「そんなのごめんだよ!」 「行くデス、ユカ姉!」 こうして二人のジュエル・フラワーズと陶芸家の戦いが始まった。 ● 「この状況で長い武器を振るうのは危ないんだよ。ジュエル・シトリン、ボクが援護するから前にっ!」 「分かったデスよ。アメジスト、援護よろしくデスっ!」 アメジストは部屋の状況からレイス・リッパーを用いての攻勢は悪手だと判断した。攻撃が駄目なら援護に専念すべきだと考えたアメジストは自身の状態異常力を向上させるとジュエル・シクルートを構えた。 対するシトリンはジュエル・スレッジを置いてきている為に陶芸品を心配する必要がないものの火力が不足していると考えた。故に攻撃力を向上させるとアメジストの求めに応じて陶芸家へと突撃した。 「まずはあなたから無力化させて貰うよ。」 「捕まったらアウトというのは存外きついデスよっ!?」 果敢に陶芸家へと突撃したシトリンだが、その戦いは防戦一方だ。というのも陶芸家の手に捕まればそこを基点に全身を捏ね繰り回され粘土にされてしまうからだ。 そうなれば抵抗など出来るわけがなくただ陶芸品にされるのを待つ事しか出来なくなる。そして、シトリンがやられれば勢いそのままにアメジストもあっと言う間に粘土にされてしまうだろう。 「ちょこまかと、いい加減つかまりなさい!」 「嫌デスよ!」 とはいえ、シトリンもただ逃げているわけではない。陶芸家の手を避ける度にシトリンは作業場の床にエンハンスド・コインズをばら撒いていた。 それは陶芸家に一撃を与える為の準備であり、今コインズの存在がばれるわけにはいかない。故にシトリンはギリギリの所で回避を続けてゆく。 「~~♪」 「な、なんですか、急に眠くなってきましたよ……。」 シトリンが陶芸家の攻撃を避け続ける中、アメジストはジュエル・シクルートを使い鎮魂歌を奏でていた。シクルートを通じて奏でられる音色にはアメジストの人を破滅に導いて来た魔力が籠められている。 音色を何の対策もなしに聞いてしまった陶芸家は段々と眠気に襲われてゆく。眠気が強くなればシトリンを責める手の動きも緩やかになってゆく。 未だにコインをばら撒き終えていないシトリンはコインズをばら撒く序でに陶芸家を殴り体力を奪ってゆく。 「ぐぅっ!? まずは音楽を奏でているあなたを止めた方が良さそうですね。」 「っ!? ユカ姉、そっちに行ったですよ!」 流石の陶芸家もアメジストの演奏する音楽が不調の原因である事を悟り、それを止める為に動き始める。当然、シトリンもアメジストの方へ向かわせない様に動くがいかんせん捕まればアウトなので強気に出る事が出来ない。 そして、一瞬の突きを突かれてシトリンは陶芸家の突破を許してしまう。物凄い勢いで突撃してくる陶芸家にあわやアメジストは捏ね繰り回され無力化されるかに思われたがそうはならなかった。 「さぁ、丹念に捏ねて挙げますよ! ……いたっ!?」 「虚ろな刃よ……!」 アメジストを捏ね繰り回そうと伸ばされた手の射線上に突如として血を噴き出したのだ。そう、アメジストはこの館に突入してから常に透明なガラスの刃、レイス・リッパーを侍らせていたのだ。 館内での戦いではそれを展開する前にやられてしまったので活躍する事はなかったが、陶芸家との決戦では陶芸家の手と重なる瞬間に出現する事により見事その役目を果たした。 そして、レイス・リッパーに手を貫かれた事による隙をシトリンは見逃さない。床一面に散らばったコインズに念動力で動かし陶芸家へと殺到させたのだ。 「これでもくらうデスよ!」 「ぐあぁああっ!?」 大量のコインズは四方八方から陶芸家を打ち据えてゆく。そのあまりの勢いに土埃が舞い上がり部屋を土煙で包み込んでしまった。 「やったんだよ!」 「ユカ姉、今の状況でその言葉はまずいデスよっ!?」 その激しい攻撃にアメジストは期待を込めた言葉を吐きシトリンがその言葉が抱える危険性を指摘する。そして、シトリンの懸念は現実のものになった。 「地味に疲れるからあまりやりたくなかったんですけどね……。」 「そんな……全然効いてないんだよっ!?」 ジュエル・フラワーズの二人は土煙が晴れた先にいた陶芸家の姿に驚愕した。どういうわけか陶芸家の体には傷一つついていないのだ。 衣類の状態からして攻撃そのものは間違いなく命中している。それでも敗れた衣類の隙間やレイス・リッパーに貫かれたはずの手は何もなかったかのように綺麗な状態であった。 「あぁ、ちょっとわたしの体を捏ねて傷を埋めただけですよ。」 「自分にも使用可能だったのデスかっ?! って、何を捏ねているですかっ!?」 「れ、レイス・リッパーが大変な事になってるです!」 陶芸家はあらゆるものを粘土の如く捏ね回す力を応用して自身の傷を粘土の如く柔らかくして捏ね回す事により傷を治していたのだ。 しかも、傷を治した陶芸家の手には大きなビー玉の様な物が握られている。それは陶芸家に攻撃を加えていたレイス・リッパーとコインズの成れの果てであった。 陶芸家は手早く粘土を成型すると炎で焼き上げてゆく。こうして出来上がったのは陶器ではなくガラスと金糸の小皿であった。 そして、小皿を近くのテーブルに置いた陶芸家はジュエル・フラワーズに問い掛ける。 「これであなた達の武器はなくなりましたね。それではあなた達は何になりたいですか?」
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