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エイレーネさんの経歴
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※絶賛編集中 エイレーネ・エピケフィシア(Εἰρήνη Ἐπικηφισία) 紀元前353年3月8日: 人間の女性が収容される施設で、亜人の『生まれ損ない』のウェアキャットとして生を受ける。 母は娘が亜人でないと知って母乳を与えたものの、間もなく体力を使い果たして死亡してしまった。 父は『生まれ損ない』のウェアキャットを、無価値な存在として捨て置き、同じ施設で生まれた亜人の玩具にでもなればよいと考えた。 かくして生命の危機に瀕した赤ん坊は、なんとディアボロスの力を覚醒させ、幼体の亜人たちをパラドクスで殺害。 その後赤子は【飛翔】により施設から逃走したが、人里に辿り着く前に力尽きて道端で倒れてしまった。 またこの時の消耗が原因で、ディアボロスの力も後述する再覚醒の時まで休眠状態に陥る。 なお、上記の経緯についてはエイレーネ自身が覚えておらず、自分の父が亜人だということも知らない。 折しもアテナイに子宝に恵まれない貴族の夫婦があり、彼らは悩みを解消すべく神託を受けていた。 そこで下った託宣は「お前たちに血の繋がった子は産まれない。神殿を出て最初に見つけた捨て子を育てろ」というものである。 果たして彼らは運命に導かれるように、猫の耳と尾が生えた幼児を見つけ、その子にエイレーネと名付けて育て始めた。 エイレーネという名は、亜人に攫われて行方知れずとなった夫人の妹と同じものである。 単に喪失の哀しみを紛らわせるための命名というだけでなく、実際にどこか似た雰囲気を感じさせたらしい。 なお古典ギリシア語の単語としては「平和」の意味があり、同名の平和を司る女神が知られている。 紀元前353年~341年: 神託の子であるためエイレーネはアテナイで出生した子と同様に扱われ、ウェアキャットであっても辛うじて人間らしい立場を保証されたが、それでもしばしば強い風当たりを受けた。 そのため幼年期を両親の邸宅の敷地内に籠って生活することとなり、家族ぐるみの親しい付き合いがある相手以外とはほとんど交流がなく過ごす。 寂しい幼少期であった一方、貴族家の蔵書に触れたり、芸術家を呼び寄せてパフォーマンスを見る機会があり、文化的な資本は豊かと言えた。 なお、教育係には容姿の衰えによって引退した元ヘタイラの女性がついていた。 ※ヘタイラ:諸説あるが「高級娼婦」に近い職業を指すとされる。ヘタイラの中でも高い教養を誇る者は、知識人の客と政治や学問に関する論議を交わしさえした。特に有名なヘタイラとしてはアスパシアが挙げられる。彼女はアテナイ最盛期を築いた政治家ペリクレスの愛人であり、その圧倒的な美貌と知性に関するエピソードが残されている。 紀元前340年: 当時のアテーナー・ニーケー神殿(アテナイの中心部・アクロポリスのプロピュライア[入り口]近くにある小神殿で、数ある役割の中でも戦勝をもたらす知恵の女神としてのアテーナーを祀る)の女性神官が老境に入って引退し、新しい神官の抽選が行われる。 これは家柄や祭祀の経験によらず、アテナイ市内の全女性を対象として行われる抽選だった。 そしてこの時に当選したのがエイレーネであり、以降新宿島に漂着するまでの約2年に渡って神殿に仕えることとなる。 神官として初めて神殿に入った際に、エイレーネはアテーナー女神からの「人々を護り、勝利に導きなさい」という神託を聴き、眠っていたディアボロスの力を再び覚醒させた。 以降、彼女自身が前線に立って亜人と戦うと共に、軍略の女神に仕える神官としてアテナイの防衛戦略にも関わることとなる。 紀元前340年~338年: 神官兼戦士としての活動時期。 当時のアテナイ市に数名いた復讐者の一人として果敢に戦うが、亜人の圧倒的軍勢を前に都市を護りきるためには犠牲を要した。 護りたかった人々や戦友に先立たれることも少なからずあり、心が折れそうになりながらも、女神への信仰と牙なき人々を護る信念を胸に立ち続ける。 そして戦況が追い詰められていくにつれて、アテナイの軍政において、長らく覇権を争うライバルだった他の有力都市との同盟が取りざたされるようになる。 紀元前338年8月2日: アテナイと有力な都市国家テーバイの同盟軍と、亜人の軍団による大規模な決戦── ──すなわち、史実における「カイロネイアの戦い」に相当する戦闘で敗北。2022年12月21日の新宿島に漂着する。
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