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花世/f11024と 咲う枝に寄せて返すひとの声 游ぐ花弁の行く先追って ふと視線が交わるならば やあすっかり、夢見心地かしら 問えば返る声に笑って 穏やかに止まるのは傍らに そうして落ちる影の輪郭すら春の彩で ――あなたの知る季節は違ったかしら 傾げて瞬き、綻ぶのは、桜ばかりでないでしょう そんならこれは、生まれたばかりの春だもの もう繰り返せぬ産声を、きっと寿いましょうな その須臾さえ刻むよう、眸のうちに刻みましょ そうな、 光の輪郭を振り仰ぎ 指先ごと春を両手で包んだならば あなたが、呼んでくださるなら ねえ、花世 春の温度を、ひとつぶん
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