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黒白園・真雪について
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【プロフィール】 名前:黒白園・真雪(こくびゃくえん・ましろ) 称号:≪怒りの天使-Ulliel-≫ 【「復讐者」覚醒までの経緯】 天涯孤独の身として、東京都の郊外にある児童養護施設で暮らしていたが、喧嘩っ早い性質が災いしてたびたび職員や同じ保護児童達との間でトラブルを起こしていた。 十六歳、高校一年生となり住む場所も施設内から高校に併設された寮へと移るが、そこでも同学年や先輩らとの間で諍いばかりを起こしていた。学業は最低限にこなしていたものの、このままでは卒業後に進学は見込めないだろうというレベルだった。 高校を卒業する年、「御礼参り」という名目で喧嘩を繰り返していた同学年・先輩らに襲われ辱められる。ボロボロになるまで自身を弄んだ彼等を殴り飛ばす事で窮地は脱したが、心の奥底に付けられた傷が癒えずに街を転々としながら暮らしてきた。また、そうした経験と学業の出来が合わさって満足な仕事にも就けなかった。 それから暫く後。裏社会とまでは行かずとも、表立っては出られないような者達が蔓延る路地裏で、ごろつき相手に喧嘩を繰り返し奇妙な「用心棒」のような真似をして日々の糧を得ていた。 そしてあの日。 普段と変わらない一日が始まるだろうと思っていたところへ、突如として降り注いできたのが、クロノヴェーダ「大天使」達の侵攻だった。 未知の相手に為す術無く打ち倒され抵抗の意志も剥ぎ取られ、手駒とするべく一体の大天使によって「憑依合体」される。 しかし烈しい怒りと強い精神によって彼は自らの意志を喪う事無く、憑依合体をしてきた大天使に最後まで抵抗し続けた。 クロノヴェーダとディアボロスによる決戦でディアボロス達は滅ぼされ、「初めから存在していなかった」事にされてしまうも、真雪は抱き続けた怒りによってその魂を喪わずに最終人類史「新宿島」へと流れ着く。 その時に、彼は自分の身体が、あの自らを襲った大天使の力を奪い取り「天使」——「復讐者」へ覚醒した事を知った。 【漂着前:詳細】 ・施設で暮らしていた頃から融通がきかず意地っ張り、また喧嘩っ早い性格でもあったため施設でも学校でもしょっちゅう揉め事を起こしていた。内省はするが意地が出て中々謝罪する事が出来ずにおり、寮母や教師から頭ごなしに怒られた経験が蓄積された結果として「悪いのは自分だけだ」という無意識が心の底に刷り込まれることとなる。さらにそれは「御礼参り」と称して自身を辱めた同級生と先輩らの言い分と、自身を飼い殺しにする構成員の“洗脳”によって懲り固められた意識となった。自分の能力などに自信を持てない自己肯定感の低さもそこに根付いている。 ・街を転々としていた頃はかろうじてありつけた日雇いの仕事で僅かな金を得ていたが、満足に衣食住を揃えられるような額では決して無かった。飢えを抱えふらつきながら、流れ着いた最後の街葛飾区の路地裏で、その一帯を勢力圏とする暴力団の構成員に拾われ「用心棒」のような真似事をして糧を得るに至った。 また、そこで自身を飼っていた構成員とその取り巻き達からも陵辱を受け続け、「上に行かなければずっとこのままだ」と悟る。構成員から「俺を悦ばせられれば取り立ててやる」と言われ続け、何かを貢ぐ事を強制させられていた。「褒美」だと行われる屈辱的な行為の数々も、いずれ自身が昇り詰める為だと思い込む事で必死に堪えてきた。 ・性行為などの自認や経験について、自身はノーマルだと思っているが異性と付き合うよりも前に同性相手の行為を強要されたため、思い悩みまた行為に対して怯えるようになる。それからも何度も同性との行為をさせられ、抵抗すれば自身の命も危ぶまれるような状況すらあったため、受け入れるような演技さえした事もある。しかし心の底からそれを「善かった」と思った事など一度も無く、行為後は身体を掻ききりたくなる程の嫌悪感に耐えながら洗い清め、寝床で毛布に包まり身を守ろうとしてきた。尚、これまでにされてきた陵辱は一人とだけでなく複数人を相手にするもの、薬物を使用されての行為、更には口腔性交や首輪、拘束、剃毛、失禁、視姦などといった自尊心を抉られるような行為すら行わされてきた。 ・自身の身体を穢れていると思い、上に昇り詰めて抜け出てやるという気概で必死に心を支えていたが、路地裏で無茶苦茶に暴れるうちに「暴れ回った末に死ぬならそれでもいい」ともぼんやりと考えるようになる。そしてクロノヴェーダの侵攻を受け、抵抗してその戦いの果てに死ねるなら——と考えていたが、大天使の「憑依合体」という手段にこれまで散々行わされてきたあの陵辱行為と同じようなものを感じ取ったため、怒りの箍がはじけ飛ぶ。果たせなかった「自身を弄んだ者たちへの復讐」、そして「自身を好き勝手に造り変えようとするクロノヴェーダへの赦す事の出来ない怒り」によって、最終人類史へと流れ着き「復讐者」に目覚める事となった。 ・性格は意地っ張りかつ融通がきかず、自身が決めたことを無理やり押し曲げられることを酷く嫌う。一方的に否定されること、決めつけられることを良しとせず反発しがち。故に喧嘩っ早い。両親の顔も知らずにずっと施設で暮らしてきたため、何かを「欲しい」と思ってもそれを我慢してばかりだった。そのせいか、少しでも自身の望みを告げることにひどく抵抗を覚え、何かに対して欲を覚えた時の自身について「欲張りでわがままで駄目なやつだ」と思うようになった。新宿島で暮らし始め様々なことを経験していく中でそれは少しずつ改善されているようだが、一般人の感覚に比べると未だ知らない、慣れていない点が多い。 ・自身の事をありのまま受け止められたり、褒められたり、認められたりといった経験をほとんど無いままに幼少期を過ごした。自己肯定感の低さの原因はそこにもある。「自分の事を一番に考えてくれる相手など居ない」、「自分がこの人の事を大切でも相手には自分よりもっと大切な人が居る」等と考え、自分の事を後回しにしがち。覚醒前はそうした意識から喧嘩でも常に特攻していくスタイルだったが、新宿島で要と出逢い、『無茶な戦いはしない』という約束を結んで以降は気を付けるようにしている。しかし今も心のどこかには「自分は誰かの“一番大切な存在”にはなり得ない」という意識が巣食っている。例えるなら「絶体絶命の窮地で助けられるのが“自分”と“もう一方”しか居ないという場合、“自分が選ばれる事”は有り得ない」といった思い。その思いを拭ってくれるような存在が現れる事を、期待せずも夢見ている。 ……だが、『恋』に対して、『愛すること』に対して、本気になろうとするならば。それではいけない、と思い知った。 それは、過去に甘え、痛みに耐えるという行為そのものに甘え、前を向こうとしない行為だからだと。 それに溺れる事を止め、過去の傷と向き合い、本当の意味で『前を向いた』時――その時こそ、己が本気で『恋』をする事が出来るようになるのだと。 【覚醒後:外見】 ・細くしなやかで、背中の中ほどまで流れ落ちるような銀髪。ただ、元々は日本人らしい黒髪に黒い瞳だった。その為、変貌した自身の身体の中でも最も強い違和感を抱いている。 ややつり上がった切れ長の両眼は装備でもあるサングラスに隠されているが、その下にある瞳は冬の寒空のような鈍い灰色。 ・やや痩せぎすと思える細身の身体はしかし、路地裏を駆けずり廻って生き抜いてきた経験から鍛え上げられている。バランスの取れた筋肉の付き方。 ・「天使」としての種族特徴である【天使の翼】は腰元から生えている。巨大な猛禽類の羽根に酷似した形をしており、自身の名のように純白に輝き、その羽根先は淡い天色をしている。 【覚醒後:能力】 ・元々ひたすら喧嘩に明け暮れる毎日だった為、覚醒後も戦闘スタイルについては特段大きく変わってはいない。基本的には手元にあるものや周囲にある器具、ガラクタなどを利用して相手に奇襲をかけたりと思いも寄らない攻撃を行う。 ・ただし覚醒する前と比べて大きく変わった点がひとつ。それが「言葉に力を乗せて相手へぶつける」能力を得た事であった。彼が意図して自らの「怒り」の力を込めた言葉、謳、叫び——そういったものを発すると、それを具現化するように。或いは相手がそれに引き込まれたように、発した言葉に応じた攻撃などを繰り出せるようになった。その力を当初は気味悪がり忌避していたが、新宿島で最低限の戦闘訓練を叩き込まれた後は何とか使えるようになった。 【覚醒後:詳細】 ・現在の名である「黒白園・真雪」は、実は親に付けられた名では無く覚醒後に自らで付けたもの。元々が孤児であったため親からの名付けも無く、名前というものに拘りも無かった彼は、「憑依合体」された際に記憶の片隅へ流されて消えていった元の名を取り戻そうともせずにあっさりと捨ててしまった。元の名前が何だったかはもう彼自身にも分からず、またそれに対する悲しみや怒りも無い。彼にとって元の名は忌々しいものでしか無く、今の名こそが自身の本名であると認識している。 新宿島に流れ着いて目覚めた後、自らの境遇や、自身に顕れた奇妙な特徴から響きと字を選び意味を込めて名前とした。今ではこの名が自身の証だと大切にしており、名前を呼ばれる事に強い安心感と心地よさを感じている。 名に込めた意味は「“黒”から“白”へ変貌し、しがらみの無い“園”へ辿り着いた」「“雪のように真っ白な”翼を得た」というところから。 ・覚醒したとは言え最初は自らの境遇も、能力も、身体の変化についても理解しておらず酷く困惑していた。そこを新宿島の住人らに助けられ、変異した自分や世界の事についてを叩き込まれた。現在のジョブについては、主としている「バウンサー」については元来そうした事を生業としていたためにそのままジョブとしたが、サブの「吟遊詩人」は自らを拾い様々な事を教え込んだディアボロスがそれを主としており、自分の「言葉に魔力を乗せ攻撃する」力を見て同じようなジョブがいいだろうと徹底的に仕込まれたため。生活の上では残留効果の【飛翔】【光学迷彩】等を使用し、自警団に所属して治安維持(主に新宿島外の奪還した東京二十三区を担当)に努めている。 ・過去のトラウマから性的な行為に慎重で、「受け入れてくれた」と自身が感じた相手に対しては求めるが、肌を重ねるよりも信頼や繋がりなどを感じることの方——“プラトニック・ラブ”を感じること——が幸せだとも思っている。 ・過去の様々な経験やトラウマから「好意を向ける、向けられる」事に関しては臆病であり慎重。距離を詰める事はするが、心の奥底まで踏み込ませるまでには時間をかけていきたいと考えている。自身の感情を表現する(甘える、泣く、等)事もこれまで散々圧し殺し続けてきた為非常に下手で、見慣れた相手、受け入れてくれた相手ならかろうじて出来る。触れあう事などに嫌悪感は無いものの其処に辿り着くまでに時間がかかり、性行為絡みである場合さらに臆病になる。また、感情の細かな区別についても学んでいる最中であり、特に「好意」については現状、大まかな区別しかできていない。ただ、【天使の翼】が生えてからはこれまで素直に表現出来なかった自身の感情が翼に表れやすくなった為、第三者からは翼に注意を払う方が分かりやすい。なお本人としては自分が意識していなくとも感情を出してしまう為、それを指摘されるのは恥ずかしい様子。 ・ちなみに天使の翼については、腰元という位置のためどうしても服の着用にいささか邪魔になる事、その大きさが故の重みに当初は慣れなかったが闘技場等でも懸命に訓練を重ねた結果どうにか飛翔する事が出来るようになった。しかしその重みから背中や腰辺りの筋肉が痛む事には今でも辟易している。また、新宿島に流れ着いたばかりの頃は寝ている間であっても勝手に翼が羽ばたき浮き上がってしまう事も何度かあった。天井や壁に頭を打ち付けて起きる事も多かった為、必死に無意識下でも制御出来るよう身体に叩き込んだ結果、今ではそういった事はすっかり無くなった。 ・食の好みは中々に子供っぽいところがあり、「コーヒー全般は飲めない」「苦みの強いもの・匂いのきつい野菜なども駄目」「甘いものが好き」といった様子。だが相手から出されたものを残す事はない。酒に関しては「強くは無いが全く受け付けない訳では無い」といったレベルで、基本的に不特定多数の前で飲む事はしない(気を許した相手の前や少人数の場合などは別)。 ・はっきりと自分が「好き」と言えるのが、肉料理・ご飯物・卵料理・乳製品。肉料理などは依頼や戦争に赴く前、帰還した後などに自らに気合いを入れたり褒美といった名目でよく食べている。基本的に新宿島に来てから様々な料理を口にした為、その中で「好き」だと感じたものを何度も繰り返して注文する(自炊経験が無く食事は基本的に愛染の『六竜亭』頼り)傾向にある。最近の好みはオムライス。 【覚醒後:新宿島での人間関係】 ・漂着時にとある男性のディアボロスによって拾われ、戦闘訓練や『刻逆』後の世界の事などを叩き込まれた。ある程度を把握し自力で糧を得る事も出来るようになった頃、師匠代わりのその男性の元を去る。彼が今、何処で何をしているか知る術は無いが、同じ「復讐者」として戦っているならいずれ何処かで再会出来るだろうと考えている。 ・旅団での関係 「瀬良・要」…旅団で出逢った兄貴分。初の出逢いは彼から受けた誘い。苦く痛い記憶を刺激されるも要の持つ雰囲気に和らげられ、何時しか心を開いていった。恋情では無く自身が嘗て得たかった“頼れる存在”として、自身の中で大きな存在となっている。 痛みを受け入れがたく弱みを吐く事も誰かを頼る事も不得手。そんな自分が初めて彼の前で涙した。その優しさを有り難く思う。 彼に対しては、あらゆる弱みも吐き出せた。引っぱり上げて導いてくれる彼は、無償で信じられる存在になっていた。——無垢な自身につけ込まれるような行為さえ、彼から教えられ、与えられるものであれば。 「范・虚」…旅団で出逢い、その考えや姿勢に惹かれた。変貌後の中々受け入れがたかった自身の「白銀の髪」「純白の翼」「銀灰色の瞳」それらを自身のもの、自身の色だと告げられ、認める事が出来るようになった。様々な事を語らう内に何時しか、彼の事を知り、彼の傍でもっと共に居たい——と考えるように。しかしその想いをはっきりと形として掴み、告げるより前に彼はするりと手から滑り落ちてしまった。悲しく寂しい思いが胸を締め付けるが、いつかの再会を夢見ている。叶うその時まで、「自身の色」だと告げられた大切なこの髪を切る事は無いだろうと思いながら。 「アルバード・カラック」…旅団で出逢った青年。気安いその雰囲気から、自然と声を掛け話す事が出来た数少ない相手とも言える。初対面時の話題では「何故彼女が出来ない・モテないのか」という事や「恋愛・人付き合いに対する姿勢」についてを語り、その後再び顔を合わせた時には自身が酒に酔い潰され襲われた事を吐露しそうになった際に察してくれた事、「辛い過去を思い出さない程に楽しめば良い」と諭された事などから好印象を抱いている。しかし彼本人は女性が好きと公言している様子の為、もし彼の事を「好き」になっても想いは伝えずに秘めておこうとも。 「壬生・飛鷹」…旅団の屋上で出会い、語らい、約束を交わした。自身を侮らず認めてくれる彼の姿勢、表情、その雰囲気。それらに何時しか、心安らぐものを覚えていた。笵に感じていたものとも、要に向ける信頼とも異なるその感情を、本当の“恋”だとようやく自覚した。 …………すべては破れたこと。 あの雪の夜に恋は終わり――――今は遥か遠き空の下にて。きっと彼は、自分ではない誰かと、愛を語らっているのだろう。 【覚醒後:パラドクスについて】 ・漂着してすぐは当然、自身の持つ能力についての理解も不十分だったため、パラドクスをうまく扱う事が出来ずにいた。自分に様々な事を教えてくれたディアボロスに連れられ、闘技場での模擬戦や新宿島で行われる様々な訓練、他の多数のディアボロス達と共に乱戦のような真似事をしたりする中で次第に自身の能力を理解し、どう思考すればどのように戦えるのかを把握していく。 『怒りを象りし光の刃(エッジ・オブ・エンジェルハイロゥ)』 発動台詞「これが俺の怒り、俺の刃だ。慈悲なんか要らねぇ——切り刻め」 こちらに流れ着き、「天使」として目覚めた後に最も始めに身につけたパラドクス。変貌した自身の身体の中でも一際強い力を放つ【天使の翼】、そこに込めた「怒り」を圧縮し、光り輝く光輪の刃を出現させる。羽ばたきに乗せてあらゆる方向へ放つ刃で敵と認めた者だけを容赦なく斬り裂いていく。空中から舞い降りる慈悲深い天使の羽根では無く怒りに満ちた攻撃は、敵を遠ざけ仲間を守る事にも繋がるだろう。輝く翼は慈悲の威光を示すものではなく、凍えるような恐るべき怒りを示すのだと、敵はその刃を受けてようやく思い知るのだ。 『運と閃光の武器調達者(ウェポンラック・アンダーグラウンド)』 発動台詞「石コロ一つ、棒きれ一本。それすら俺は武器にする。油断してっと何処から喰らうか知らねェぜ」 漂着前から積んできた戦闘経験を元として、「復讐者」となった際に得た力を合わせる事で生み出したパラドクス。道ばたに転がるもの、手近にあるものを何であれ「武器」として使用してきた過去。そこから発展させ、『手にしたものが何であれ武器になる』力として設定したもの。 即ち路地裏とは彼の戦場(ホーム)。そこに転がるものならば、何であろうと「使える武器」としてしまう。例え瓦礫の一つだろうが、鉄の棒きれだろうが、手にすれば彼にとってそれが「刃」であり「盾」となるのだ。 思いも寄らない攻撃を只管に繰り出し、型に嵌められた武ではなく変幻自在に戦う事。それが生来より染み付いた彼の武器である。 『永遠なる静寂・染まる事なき氷雪の刃(フリーズブリザード・ネージュ)』 発動台詞「凍れ、凍れ、凍れ。其は焔より烈しき怒りの具現、全てを凍えさす恐るべき白銀。決して染まらぬ純白の裁き也」 変貌した自身が手にしたもう一つの力、「怒りを込めた言葉を具現化し攻撃する」能力。それをカタチにして生み出した最も始めのパラドクス。真雪という“雪”を名に込めた自身にとって、怒りとは燃え盛るものではなく静かに積もり凍らせるもの。そのようにして高めた怒りの力を翼に込め、凍てつく刃として放つ事で周囲のあらゆる敵を凍らせ切り裂いていく。 吹き荒れる氷雪の中、敵のことごとくを切り裂き鮮血に沈めていく様とは裏腹に、自身は決して紅くなる事は無い。鮮血に染まる吹雪と汚れ一つ残さぬ純白の翼こそが、その戦場に独り立つ彼の怒りの顕れである。 『形となるは伝説。英雄劇の幕を開きし謳声を聞け(ギルティ・サーガ・ブレイド)』 発動台詞「意志を紡げば刃となる。希望紡げば盾となる。言の刃の燦めきよ、許されざる者を討て」 それは変貌故の力。彼は自らの拳のみならず、繰り出す言の葉にも力が宿ると知った。怒り、そして決して赦さずという感情を込めた言葉で紡ぎ出す“謳”。華々しく飾られ語り継がれる物語の英雄に非ずとも、自分達「復讐者」一人一人こそ、誰かにとって -或いは自分自身にとっての“英雄”であるのだと。そう教えられ諭された、彼の認識を元として生み出されたパラドクス。 怒りと誓いを込めて発せられた謳声を目に見えぬ刃のようにして。意志を紡ぎ、刃を紡ぎ、障壁を紡ぎ出す謳は敵を揺さぶり、例え聴覚を潰そうと脳裏に染み渡らせる恐るべき謳声(コトバ)を、彼は懸命に操りながらふと思い返す。 ……あの時。ただ心の内で抗う事しか出来なかったあの時にこの力があったなら、果たして自分は救われただろうかと。 『一撃一退の極地(クイックターン・ハックスラッシュ)』 発動台詞「さぁ、この翼についてこれるか!? 俺の怒りを思い知れ!」 自身の【天使の翼】に怒りと恨みの力を込め、飛翔のための推進力へと変えていく。敵への怒りを募らせれば募らせる程に強まる力で以て空高く舞い上がり、最大限の速度で敵にぶつかり攻撃を加えていく。幾重にも積み重ねる一撃の重みこそは、自身の募らせた“怒り”そのもの。 『無慈悲なる一斬(ヴォイドスラッシュ)』 発動台詞「怒り、恨み、それら全てを込めた一撃。この刃で——オマエ達ごと消し去ってやる」 手にした武器—自身の最も手に馴染んだバールであれ、手近に転がるものから拾った獲物であれ—に極限まで「怒り」を込める事で、恐ろしい切れ味を持つ刃と変化させ白熱する程に凍てついた刃で敵を切り裂く。その一撃によって絶たれた敵の存在そのものを否定し、欠片すら残さない“虚無”の中へと飲み込み尽くす。 ただ怒りをぶつけるだけには留まらない、烈しく湧き上がる殺意をカタチとした力。 『闇より出でし宵月の斬撃(クレセントソード・セイヴァー)』 発動台詞「オレの刃は怒りの刃だ。赦しはしねぇオマエの命を、必ず刈り取る復讐の刃——ってなァ!」 手に持つ武器に敵に対する怒りと恨み、そしてディアボロスとしての「力」を込め一気に解き放つ事で、あらゆる障壁を斬り裂く恐ろしいまでの刃を顕現させる。 敵に対し直前までその存在を明かさずに、寸前まで肉薄した瞬間に刃を振り抜けば——死角から顕れたそれは、まるで「死神」が生命を刈り取る鎌の如くに弧を描いた斬撃となって敵へと襲いかかることだろう。 【覚醒後:装備について】 ・依頼や戦いに於いて使用している装備の殆どは、漂着時に手にしていたものに新宿島で魔術的な加護や強化を施して出来上がったもの。それらを手放せない自分自身に苛立ちのようなものを覚えることもあるが、「手に馴染んだものの方が実戦では大事だ」と諭された事もあり、今のところは納得している。 尚、装備品の作成や強化にあたっては他のディアボロスか、元となる物品を一般人の有志に作成してもらいディアボロスによって加護を込める事で作成している。「歴史を取り戻す戦いの為」という事から強化等にかかる費用はごく少額で構わないと言ってくれる相手が殆どだが、彼なりの誠意なのか、依頼報酬等から「本来必要だっただろう」金額、あるいは稀少な素材等を後日に対価として差し出している。 『光輝の刃《スラッシュリング》』 【天使】としての種族特徴でもあり、武装でもある頭上で輝く光の輪。ディアボロスとしての力——“怒り”や“恨み”を込める事で、その光輪は鋭い刃となる。その刃を放ち敵を切り裂く彼は、慈悲深さとは全く異なる恐るべき「怒り」をもって裁きを執行するに相応しい天使の姿。 『強化を施したバール』 元の場所においては最も使い込み手に馴染んでいた武器の一つであり、漂着時にもそのまま一緒に流れ着いた。なんだかんだと手放す事が出来ず、最終的にそれを主武装として使う事を決めたのは、新宿島での戦闘訓練で自身を拾ったディアボロスから告げられた言葉が最後の一押しとなった。その後すぐに他のディアボロスに頼み込み、クロノヴェーダの攻撃や逆説連鎖戦に耐えうるよう幾重にも強化を施した。以来、彼の愛器の一つとなっている。 『言の刃込めし竪琴』 元の場所からでは無く新宿島に流れ着いた後に手にした武器。自身を拾い様々な事を教え込み、変貌した世界で生き抜けるよう力を与えてくれた師匠とも言うべきディアボロスの男性から、自立の別れに際して贈られたもの。 『クリスタルピアス』 かつて路地裏を這いずり回って生きていた時、自身を“子飼い”にする構成員によって半ば強制的に開けられた穴と、“印”として押し付けられた一組のピアス。宝石で飾られたそれが盗品である事を知っていた真雪は着ける事を初めこそ拒んだが、その抵抗も為す術なく折られ、水晶の嵌め込まれた耳飾りは彼を飾る事となった。その後、「新宿島」へ流れ着いた後に他のディアボロスに頼み込んで強化と改造を施してもらい、耳飾りは彼の翼を象った美しい品へと変貌した。 『氷結模様のジャケットローブ』 新宿島に流れ着き、変貌した自身の姿――それ以外にも身についた、「魔力」という力。それを制御し、効率良く利用出来るようにし、また敵の「魔力」から身を守る為にと作成したローブ。 『白銀の糸』 『羽根飾りを縫い込んだ腕輪』 『強化されたサングラス』 『水宝玉《アクアマリン》の首飾り』 『水晶剣』
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