PBWめも
メドという悪魔
メモ本文更新
本文
※
特殊記述:
*: 見出し
-, #: リスト
メドという男の下級悪魔がいた。 力のない悪魔だが、その代わりに手先の器用さを生かし鋳造品や金属加工のアクセサリーを作り生計を立てていた。 特に彼が作るベルは音が良いと評判であることから、店名はメドベルとして定着した。 ある日、時空の歪みから魔界に迷い込んだシェリーという名の女性の人間と店裏の森で出会い、彼女を家に匿っていた。 他の悪魔にバレるのは危険であるため、ずっと家の一室に匿っていたが、それにも限界があった。ついにシェリーは悪魔と偽り生きることにした。 メドはツノに見せかけた精巧なアクセサリーを作り、引力を与える魔力で彼女の頭につけることにした。 こうして、シェリーが元の世界に戻る方法を探しながら奇妙な共同生活が始まった。 シェリーは明るく愛嬌がよく、こんな世界に迷い込んでも彼女は前向きだった。 彼女は料理やお菓子を作るのが得意でいろいろなものを作り、メドに食べさせていた。 メドに世話になってばかりいるを申し訳なく思っていたシェリーは、作ったお菓子をメドベルの店頭に並べ販売するとともに店番の手伝いをすることにした。 元から評判の良かったメドベルに愛想の良いシェリーが美味しいお菓子を売り出すとなるとたちまち客足も増えていった。 彼女の喋り口調は悪魔には珍しく「〜ね、〜よ、〜わ」と柔らかく、シェリーと話したくて足を運ぶ固定客ができたり、子どもがお菓子を買いに来るなど店の雰囲気も良好かつ売上も良く、生活も豊かになった。 その一方で、シェリーが元の世界に戻る方法は一向に見つからなかった。 やがて、シェリーはメドと共に生きる道を選び、メドもそれを承諾した。 しかし、そんな日々も長く続かなかった。 人間の寿命は悪魔よりも極端に短いため、20年もすればシェリーの老いは徐々に表に現れ、客からも心配されるようになった。 シェリーは悪魔を偽ることに限界を感じていた。 彼女はメドが人間を匿ったことがバレる前に自らが死ぬことを選んだ。 ある日、メドが目を覚ますと家にシェリーの姿がなく、代わりにテーブルの上に手紙が残されていることに気づいた。 家を出ていく旨が書かれていたが、胸騒ぎがし、なんとなくの直感だが、メドは彼女と出会った森へ駆け出した。 美しいブロンド髪が横たわり、シェリーがそこにいるのはすぐにわかった。 急いで駆け寄ったが猛毒の果実をかじり、彼女はすでに息絶えていた。 大切そうにツノのアクセサリーを抱えている傍ら、テーブルに残されたものと別の手紙が落ちていてた。 その手紙にはこの事態を見つけた人に自分の遺体を魔界の炎で跡形もなく燃やして欲しいこと、愛する誰かに向けこの先の長い一生を自分のことは忘れて幸せに生きて欲しいことが書かれていた。 メドは激しく悲しむも彼女の言う通り遺体を焼却した。 しかし、メドはシェリーの最後の言葉を守ることができなかった。遺体から一部髪の毛を採取しており、彼女を忘れることはなく彼女の一部を大切に保管していた。 人間と生活したメドは悪魔としてはあまりに人間的になっていた。 それからメドベルが開店することはなく廃屋となり、メド自身その場から失踪し、行方がわからなくなったという。 メドがその後どのような一生を過ごし、幸せに生活できたのかは誰にもわからない。
目標値:
なし
50文字
100文字
150文字
200文字
250文字
300文字
350文字
400文字
450文字
500文字
550文字
600文字
650文字
700文字
750文字
800文字
850文字
900文字
950文字
1000文字
1050文字
1100文字
1150文字
1200文字
1250文字
1300文字
1350文字
1400文字
1450文字
1500文字
1550文字
1600文字
1650文字
1700文字
1750文字
1800文字
1850文字
1900文字
1950文字
2000文字
文字数(全体):
0
文字
文字数(改行を無視):
0
文字
文字数(改行&空白を無視):
0
文字
編集用パスワード
※