PBWめも
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スィフルくんちゃんについての設定書き。
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名前:スィフル・ティエファシエル 年齢:19歳(推定7000〜8000歳。残存資料からそのくらいと推測される) 本体は、非実体の謎存在。A&Wで偶発的に生まれた世界のバグであり、しっかりとした自我がある。 「形を得る」「喰う」「強くなる」という本能と、「人と仲良くしたい」「大切な存在を守りたい」という思いで揺れ動いている。 ここしばらく希雪や氷海、師匠と一緒に修行しながら生活してたが、氷海が猟兵として本格的に活動し出したから、じゃあ僕も!って感じで猟兵をやっている。 自己紹介ノベル的なものをここに書いておく 貧しい村の娘「スィフル」と孤独な非実体謎存在の物語。 ここは…? 私が、この世に存在し始めた瞬間のこと。 生まれたばかりなのにそれなりの自我があって、本能もあって、理性もあって。 まるで元々あった何かに誰かの意識が植え付けられたみたいな世界のバグ、チグハグな存在。それが私だった。 ただ孤独で、寂しかった。 周囲にいる人間の、誰もが私のことなんて認知できなかった。 でもどうすれば見つけてくれるかなんて、分からなくて ただ体が欲しかった。体があれば、話せるから。見てもらえるから。 そんな時を過ごし、数年しても、体は得られなかったし、何も変わらなかった でも、もう良いんだ。だって、見てくれるヒトができたんだもの。 灰色の髪、金色の瞳、そのうちに秘めるは大きな力。 私の生活は、この瞬間から色がついたんだ。 スィフルと名乗ったその少女と、一緒にいると決めたのはその時だった。 スィフルは、小さな村のやや貧しい家の生まれで、秘めた力は本人しか知らない。 後に、その力は「バロック」と呼ばれるもので、災いを引き起こすものらしいんだけど、その時はスィフルも私も何も知らなかったんだ。 私はスィフルに名を聞かれて、何と答えればいいかわからなかった。 名前がない。親がいないからつけてくれる人がいなかった。自分で考えようっていう考えすらなくて、そのままだった。 スィフルはそうやって言い淀んだ私に、名前をくれたんだ。 「ティエファシエル」 それからというもの、私たちは直ぐに、「友達」になった。 この村にはスィフルと同年代の子がおらず、友達を欲していたから。 だから、私とスィフルは対等の存在になったんだ。 まぁ、そのうちその気持ちは大きくなって、「親友」って呼び合うようになったんだけどね。 しかし、そんな生活が数年続いたあと、悲劇が訪れる。 スィフルの住んでいた村に、伝染病が流行したのだ。 村人は次々と倒れてゆき、苦しんで死んでいく。 村中が、恐怖に染まった。 でも、それだけなら良かったんだ。 スィフルと私はいつものように、村から少し離れた、あまり人がいない森の中で話していた。 それが、見つかった。 今までは、一度も見つかっていなかったのに。 たまたま通りかかった村の大人が、私たちの話を聞いたんだ。 普段なら、見つかったとしても、気味悪がられるか、心が病んだのかと心配されるくらいだったと思うんだけど、今は違う。 村のみんなは、伝染病で、心がピリピリしていた。 次々に村の仲間が死んでいく中で、いつ自分の番が来るかと怯えていた。 助かりたい。生きていたい。みんな、そう思ってた。 でも、だからこそ、こんな噂が広まった。 「スィフルは、この村に伝染病を広めた魔女だ」 最初は、重い気持ちを紛らわせるための軽い冗談だったのかもしれないけれど。 「病を引き起こしているのは、魔女の呪いだ」 そんな根も葉もない噂は直ぐに人々の間で広がり、みんなの視線が、私に突き刺さる。 「魔女狩り…だ…」 誰かが、そういった。 「魔女狩りだ。」「魔女狩りだ!」 その声は次第に大きくなり、ついには実際にスィフルは追われ、捕まり、魔女狩りが行われることとなった。 スィフルは当然そんなことを否定する。 「私は魔女じゃない!」 泣きながら、叫んだ。 スィフルだって、両親が、子供達が、村のみんなが、大好きだったから。 でも、そんな話は、誰一人聞いてくれやしなかった。 スィフルは磔にされ、火で炙られ、槍で串刺しにされ、苦痛の中で、死んだ。 なんで? どうして? スィフルは何も悪くないのに。 私のせいだ。スィフルと話していたのを見られたから。スィフルが疑われたのは私のせいだ。 お前らのせいだ。勝手な妄想で、スィフルを殺したのはお前らだ! 私は、どこにも存在しない体で、スィフルの遺体に触れた。 もうぴくりとも動かない。 秘めた力も、それを振るうことなく死んだのだ。 どうして… 何でスィフルが死ななくちゃ、殺されなくちゃならなかった! 激しい怒りに包まれながら、スィフルの体を、撫でる。 その時、変化が起こる。 私の体が、吸い寄せられるようにスィフルの体に染み込んでいく。 そして意識が回転し、その目を開く。 「ゔぅ……ぁ…つい……ぃた、い……」 そして、死体がむくり、と起き上がったのだ。 体を貫く激痛。 肉が裂かれ、骨が絶たれ、心臓が貫かれた体を、機械を操作するかの如くにぎこちなく動かしていく。 「おま…えら、が……すぃ゛ふ、る゛…を゛…」 炎の中に、ゆらりと立ち上がる人の影。 その原動力は、憎悪。 村人は狂乱し、逃げ惑う。 今まで可愛がっていた村娘を自らが殺したという罪悪感と、それが死後起き上がったことによる恐怖で、村中がパニックになっている。 一人、足が竦んで逃げ遅れた者がいる。 まずは、お前からだ。 得も知れぬ飢餓感が私の体を、「スィフル」を、貫くのだ。 喰わせろ。 それは本能のままに。 私は、人を、生きながらにして喰い殺した。 また、変化が訪れる。 先ほどより若干薄れた飢餓感。それはいい。 体にあった致命傷が、いつの間に綺麗さっぱり消え去っている。 糸の何本か切れたマリオネットのようだった動きが、精密になってくる。 その足は動く。腕も動く。首を回せば、殺すべき者共の場所がわかる。 「許さない、許さない!」 地獄の底から呻き声をあげているかのような、その声が村中に響いた。 そこからのことは、覚えていない。 ただ溢れ出る憎悪と欲求のままに、村人を喰い、村を滅ぼしたのだろうという予想はつくが。 あぁ、スィフルに特段優しかった母も、スィフルを慕ってくれた子供達も、喰ったのか。 あぁ、あぁ。どうしようもなく寂しい。 最初はあれだけ体が欲しかったというのに。 体を得たから何だ。全てを失って得る結末など── いや、まだ、私は終わってない。 まだ、結末には至っていない。 私は旅をする。 その先に、は、何か、いい、ものが、あるっ、て。 すぃ、ふるが、言って、たから。 ただとめどなく目から溢れてくる液体を拭い、その歩みを進める。 その先には──いや、ここが、僕の。「スィフル。ティエファシエル」の人生の始まりだった。
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