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ツムギ・オーギュスト(f19463)
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*ツムギについて 自身に関する記憶の一切を失った状態でアリスラビリンスに召喚されたアリス。 自分の名前も忘れているので今の名前は仮のもの。 ツムギは手持ちのトウシューズに書かれていた名前。8月に召喚されたのでオーギュスト。 失った記憶についても故郷に帰るため必要な自分の扉の手がかりもろくに得られていない状況だがそれほど悲観はしておらず、 召喚されてからグリモアベースを通じて他世界へ渡ることが可能になるまでの約一年間、 気の向くままに踊って飛んで人助けしながら楽しく過ごしていた。 ジョブはスカイダンサーでスーパーヒーロー。ダンスならブレイクダンスから盆踊りまで何でも好きで得意。 でも一番肌が合うのはクラシック・バレエ。 天真爛漫ポジティブアホの子。考えるより感じたい。 悩みも夢もなくした体はとても軽くてとてもよく飛ぶ。 *行動基準について ツムギの行動基準は『楽しいこと』。 より詳しく言うなら『みんなが楽しいと思えること』である。 もちろん対話が成立しないオウガもといオブリビオンなども存在はするが、 自分を含むできるだけ多くの人々が喜んだり楽しんだりできるように、をモットーに踊ったり人助けをしている。 彼女が望むものは今も昔も変わらない。好きなことを好きなように。ただそれだけでよかったのに。 *写真について ツムギがアリスラビリンスに召喚された時に持っていた写真。元の世界や召喚される前の彼女について分かる数少ない手がかりのひとつ。 パスケースに入った写真で、現代日本の学生服姿の少女二人が写っている。 写真をみる限りツムギ(と思われる方)は活動的で明るく、 もう一人は物静かで真面目な性格に見える。 とはいえ二人手を繋いで笑顔で写っており、仲はよさそうだ 所々掠れているが『第■回発表会記念 ■■と■■■ちゃん ずっと■■』と書かれている。 *トウシューズについて ツムギがアリスラビリンスに召喚された時に持っていたシューズ。戦闘で使うレガリアスシューズとは別のもの。 内側に『TSUMUGI』と書かれており、元の名前すら分からない彼女はひとまずこの『ツムギ』という名を自身の名前にしている。 白色でかなり使い込まれたトウシューズで、ツムギにピッタリなサイズ。 武器としては使えないが、空いた時間を見つけては履いて練習をしている。 履いて足先で立つのは正直滅茶苦茶痛い。バランスを取り続けるのも楽じゃない。 でも好き。なんか好き。どうしてなのかは忘れたままだけれど。 *口調について 基本は誰相手でも名前にちゃん付けのハイテンションカジュアルタメ口。 口ずさむと軽やか楽しい感じになるように韻や音感重視。感嘆詞やオノマトペもよく使う。時々敬語も使うがリスペクト故ではなくおちゃらけで使うのがほとんどである。 *不思議の国について アリスラビリンスの世界のひとつ、住民達が『アルカンシエル』と呼称するその国は、 ツムギが召喚されてから長らくお世話になっていた故郷のような場所である。 住民達は明るくおおらか、そして躍りや演劇、コンサートなどの舞台芸術をこよなく愛している。 時折迷いこんでくるアリスを故郷へ帰すため、ついでに舞台のネタ探しのために アサイラムないし異世界についての想像探求が盛んに行われているのも特徴で、 アリス達からも断片的にネタをどんどん取り込んだ結果、 ヨーロッパ童話風世界の劇場でロックンロールが鳴り響いたりSF題材の演劇が行われたりするカオスなことになっている。 とはいえ記憶喪失のツムギが他の世界に出向いてもそれほど混乱を巻き起こさなかったり、 最低限弁えるところは弁えることができている(はず)なのは この不思議の国と住民の特質気質あってのものなので、ツムギもこの国と住民達に深く感謝している。 -昔の小話 その不思議の国に巣くうオウガは大変大雑把な大喰らいで、 餌のアリスだけでなく周囲の土地や愉快な仲間、果ては同族のオウガもまとめて喰らいつくしてしまうほどだった。 いくら美しい景色を作っても、いくら仲間や来訪者とのかけがえのない思い出が出来ようと、 全て無意味と嘲笑うかのように喰い尽くされて、後には何も残らない。 住民が自分達の国を現れては儚くかき消えてしまう虹に例えたのは、半ば皮肉と諦念ゆえだった。 国の修復やオウガの隔離、やれることはやってきたがオウガの勢力は増す一方で、自分達の世界ごと喰われてしまうのも時間の問題と思われていた。 ある日、赤い髪のアリスが落ちてきた。 召喚以前の記憶を忘却しているのも、超常能力を持つのもこれまでのアリスと同じ。 彼女が異なっていたのは、召喚早々オウガを蹴散らしてしまったほどに強かったことだった。 果たして生命体の括りに入るのか疑問なくらいの力を持つアリスに住民は戸惑いながらも、 国の脅威を退けてくれた功績を称え歓迎した。 音楽や踊りで楽しみ楽しませることを好んでいた住民達と、 記憶を失いながらも楽しいこと、踊ることを好む彼女はすぐに打ち解けた。 襲い来るオウガを倒して世界や迷いこんだアリスを救い出し、平穏な時間には皆で賑やかに遊ぶ日々。 依然としてオウガは強大だったが、彼女が現れたことで少しずつ状況は好転し、住民にも希望や活気が戻りつつあった。 だがその一方、原則召喚以前の記憶を失うのがアリスの特性としても――さながら彼女自身がそう望んだかのように――彼女の記憶は欠けすぎていること、 彼女が強大とはいえあれほど手強かったオウガ達が近頃は派手に暴れもせず静かだということに一抹の不安を感じる者もいたが、 大きな事態に発展することなく騒がしくも明るい日常は続いていた。 …オウガは手加減していただけだった。 これまで食らってきた餌の中でも極上のアリスを、より深い絶望という名のスパイスを加えて味わうために。 その日、ツムギ達を襲ったオウガはこれまでとは比べようがないほど強くて。 それでも不思議の国と住民達を守るために戦うも、手も足も出ずにボロボロになっていく彼女。 『バチがあたったのかもしれないな』住民の誰かがそう呟いた。 彼女が自分の世界に帰ろうとせず此処に留まる気でいるのをいいことに、 他の国や元の世界に送り届けようとせずこの国に縛り付けた。 その報いがこれなのかもしれないと。 悔いる時間も謝る時間もありそうにない、それでもやれることがただひとつあるなら。 住民達は別の国に通じるウサギ穴に、離れたくないと拒む彼女を押し込み、別れを告げ…後には原住民達とオウガが残された。 穴を塞ぎ国を閉ざした住民達は、オウガと運命を共にする覚悟を決め、そして。 突然、耳をつんざく音と眩い光。 見ると、オウガが攻撃を続けざまに受けて圧されていた。 攻撃の主はアリスとも原生生物とも違う複数人。信じがたい光景の中、その中に混ざって戦う見知った赤毛の少女。 無事で良かった、どんな思いで送り出したと思ってるんだ、この者達は何者なんだ… 様々な事を思う住民達だったが、オウガを倒した後にこちらへ手を振る彼女を見て、 『ああ、彼女はこんな子だった』 『助けると決めたら明るさと勢いで周りを巻き込みながらやり遂げてしまう、そんなヒーローだった』 …傷だらけの顔で笑う彼女を見て思いだし、つられて苦笑した。 2019年6月、グリモアベースからアリスラビリンスへの転移が可能になった日の出来事だった。 -誕生日の小話 2019年8月7日。 エンパイアウォーに備え、預けていた装備を受け取りに不思議の国へ里帰りしたツムギは拍手と『お誕生日おめでとう』という声に出迎えられた。 『一年後、召喚された8月7日をまた迎えて尚、まだ自分の世界に戻っていなかった時にはその日を誕生日として祝ってあげよう』 と、計画していた住民達による盛大な誕生会だった。 記憶喪失のツムギは当然ながら自分が本当は何日に生まれたかも覚えていない。 年齢も見た目からだいたいこんな年齢だろう、という憶測の年齢である。 それでも皆に祝われたのはとても嬉しく、とても幸福で。その日は忘れ難い、忘れたくない思い出になりました。
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