囚華(追加プレ分)

作成日時: 2020/10/26 18:04:08
菫(f14101)と

闇に溶け飲み込まれる
血の匂い、赫い雫が蝕んでゆく
唯一闇照らす淡く燈る耳飾り
菫、きみはひかりだ
死なせない
我が子が為、親は身を差出すは道理なんだろ
大切、なんだ

繋ぐ掌がするりと自身の元から離れ
咄嗟手を伸ばしても届かない
――菫ッ…!
荒げた音も、赫滲む
如何して、動け、動けよ
何故、俺からいつも、奪う
昏く翳む先、君の眸の雫は
伸ばした指先だけを濡らし

菫色を宿す桜の花びら一枚、
足元に転がるは簪、彼女の本体

拾い上げれば足元が崩れ落ちる
壊れる、歪む、
狂ったような咆哮は闇の中で響いて
また、俺は眼の前で失くすのか
まだ、檻から出ることは叶わないのか
いいや、絶対に赦すものか

簪を握りしめたまま桜は嗤う
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作成日時:
2020/10/26 18:04:08
最終更新日時:
2020/11/08 03:43:40
記述種類:
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2020/11/08 03:43:40 差分
2020/10/26 18:04:08