ノベル　ラモード王国

『初日』

「マシュマローネ、話は聞いている。ティタ王女様、此度は御訪問頂き感謝しております、ラモード王国の御案内役を仕りましょう」

ティタの丁寧な振る舞いを見れば、きっと快く今回の来訪を受け入れてくださるでしょう。
お出迎えの第三皇女のトランザお姉様の案内で、王宮までまっすぐに向かいますわ。

お父様とお母様に、ティタの事、ノシュタリアからいらした由緒あるプリンセスであること。この世界に在る物語、『素敵』なもの『好き』を探求する心を持ち合わせた旅する星であること。
今回のティタのラモード星訪問の件をお話して、ノシュタリア王国との友好を結びたい旨、そしてティタにラモード王国の素晴らしさを感じて頂きたいことを申し出て、歓迎の晩餐会の手腕をふるう事をお話しますわ。

「マシュマローネ、友好の件はお相手があってこそ、余も十分に手を貸そう」
「マシュマローネ、ご友人に失礼の無いように存分に腕をふるいなさい、母も期待しておりますよ」

ティタのご挨拶に、父上も母上もすっかり安心して、良い友人をお迎えできた事を喜んでくださって嬉しく思います！
あとは楽になさってお過ごし下さいね、ここからは私の成果をお見せする番ですから。

【晩餐会のメニュー】
・前菜
ラモードの温野菜と満月人参のラペ
・スープ
アルダワ風、七色ポテトのカラフルスープ
・ポワソン
ラモード産マスラオ(バカラオ)白身魚のポワレ、お魚野菜のビスクソース添え
・口直し
プリンセス・マルスとふわふわ雪のソルベ
・メイン・ヴィアント
青空ダイナー風ビーストステーキ、ラモードスパイス&夜燈蜜のソース
・デザート
ねこねこフォンダンショコラ

こちらでいきますわ！
随時、旅の思い出と共に解説とご紹介を！
ラモードの食材やアルダワやブルーアルカディアの旅の事、お伝えしていきましょう！

【夜の部屋】
夜は大きな来賓用の客間にご案内しますわ！
(全部が5m級の巨人サイズの調度品)
ふわふわのベッドに大きなソファ！
「えぇ！ティタ、存分に楽しんで頂けると！」
きっと初めての体験になると思いましたので、異国の特別な趣を体感していただければ！
自分が小さくなったような錯覚さえも愉快なひとときに……そうそう！そういえば今日はゲストとして、虎の第十一皇女のダーラお姉様にも来て頂きました！
(ぷにぷにの肉球の手を振ってやってきたのは5m級の大きなピンクと白の縞模様の虎の獣人(階梯5)

「マロちゃんおひさー、この子がティタ王女様？アタシはダーラ、よろしくねー(ふわふわの手で握手)、そういえば、アタシの旅本のことが気になるって？いいよいいよ、なにから話そっか？」

お姉様の面白くて不思議な旅の絵本のお話がティタの参考になれば良いのですが……！
お姉様の開く大きな本のホログラムの映るピンクのデフォルメされた虎さんの大喜劇、一緒に童心になって読み聞かせてもらって一夜を過ごします。

『二日目』
今日は王都、ルモードのご案内を致しますわ！
(雰囲気は中世〜近世のスペインに近い、西洋風な中に独特な雰囲気を醸す街並み)

王宮のある首都で、惑星の玄関口として宇宙港が開かれております。
多様な交易品が市場におかれ、商業都市の側面もあり、旅人を歓迎するようにラモード料理や多国籍料理の店が軒を連ねる屋台や、新鮮なフルーツのマルシェは人気スポットですわ！

私のお気に入りは、こちら！
サンフレッシュホルン(とうもろこし🌽)の粉で作る生地で、色んなお野菜やお肉を包む、パッケージBOX！食べ歩きの定番ですわ！
トッピングはどうなさいます？お菓子風なら、濃厚でいてさっぱりとしたプレリークリームとドライ・マルス🍎とアプリコ(杏)が相性がよろしいかと！
(見た目クレープっぽい食べ物が出てくる)

ハーブのお店は面白いかと思いますわ！
スパイスになるものに、お茶になるもの、さまざまありますが、やはりお料理のお供には欠かせませんわ。

……やっぱりラモードを説明するには、食材ですわ！こうした豊かな食材の香りや味が、この国の雰囲気を感じるには一番わかりやすいと思いますから！

明日はもっと、自然の中にある、この国を支えるひとつをご紹介しますわ！

『三日目』
王都から離れた農業都市プレリーへ。
豊かな農地が広がる雄大な農業都市圏です。
牧歌的な雰囲気を感じ、採れたての野菜や果物、畜産物など、自然を満喫したい旅行者にグランピングも人気です！
(フランスの農業地域に近い)

「モワ！ここがラモードの食を支える、この王国の自慢の場所ですわ！」
ティタに丁寧に説明をして、色んな植物や動物をお見せして。
プレリーの農業試験場の視察の後、オリゾン・フォレが原産の蒼白く輝く夜燈華の花園の側のグランピングで過ごす一夜はどうでしょう？
オリゾン・フォレは原生林が迷宮のように広がる、固有種の宝庫として保護区となっております。そこに生息する花なのですが、今は夏秋種、蒼白く輝くのが特徴ですわ。

「こうして眺める青の灯りは、街灯のない道でも、星明かりよりも明るく照らしてくれますわ……モワ、昔からずっと、星のようにみなさんに好まれている花でもありますわ」

「モワ、花の蜜も、今の時期ならほの青い煌めきを宿します……」

ハーブティーにそっと花の蜜を添えて、ゆっくりと流れる時間と灯りに、すぐ隣にいるティタの存在に少し微睡みながら。

『四日目』
スルスラック(湖水地方の別荘)。
この日のメインは夕方〜夜、そして明け方の景色。
夜は鳥や虫の声が聞こえてくるような、自然の中に身を置くような、穏やかな夜を……。
明け方、ボートで漕ぎ出せば、朝焼けと水鳥たちの羽ばたきが見られます。

えぇ、色々な場所を巡ってきました。
少し気持ちも高揚するかもしれませんが、そういう時はこちらを……安眠出来るようにブレンドしたハーブティーですわ、ほんのり甘さと温かさが広がる味わいで、ゆっくりとお休みできると思いますわ。

明け方にモーニングコールと共に、暖かい召物を羽織り、出発しましょう、先導はお任せください。

「モワ、足元お気をつけて……そろそろ日の出ですわ……この時期は渡り鳥が来ていて、朝になると一斉に飛び立つのです……お静かに参りましょう」

ゆっくりと小舟を湖に進めれば、夜明けを待つ鳥達の声がわずかに聞こえて来て……山嶺の影から陽が差し込めば、湖面は次第に朝焼け色に染まり、朝日に照らされた白い鳥達が湖面から舞い上がる。
しばらく、陽が登るまでの半刻ほどの間、船の上で朝を迎える。

いかがでしたか？
自然豊かな惑星ラモード、その一端に触れていただけたら、これ以上ない幸せですわ。

……その答えは、ティタの屈託のない笑顔がもう証明してくださっておりますわね。
ティタ、あなたを私の生まれた星と王国を感じていただけて、本当に良かったです！