ヒトゴロシタチノキオク

作成日時: 2020/03/07 23:28:07
私は所詮アリスを喰らうオウガ
この見た目を利用して数多くのアリスを喰らってきた
そんな私の話、聞きたかったらどうぞ


いつの間にかアリスラビリンスの中の1つの世界に立っていた
森の中の一軒家に入って姿を確認
黒い頭巾に金色の髪、赤い瞳はよく映えて
まず私が何者なのか知りたかった
家の中にあった本を読んでオウガとアリスの関係について知った
その時私は逃げなければと思った
オウガに殺される、逃げて元の世界に帰らねばと

結局一軒家に住み着いて数ヵ月、扉をノックする音が聞こえた
オウガだろうか、それとも同じ──

──気づいた時には辺り一面赤に染まっていた
嫌でも分かってしまう
“私はアリスではなかった、オウガだった”と

アリス“だったもの”を見て自然と頬が緩んでいくのが分かる
私の思考回路にはもうアリスだと思っていた時期の恐怖なんてない
ノコサズタベナキャ、ダッテワタシハオウガナンダモノ
嗚呼、もう後戻りできない

そこからは早かった
森から出て迷い込んだアリスを見つけたらとりあえず話しかける
警戒心を無くした所で闇でアリスを包み......

私は希望を消す闇
私という希望を見つけたアリスを
私という闇で絶望に落とす
そんなことしていたら
こう呼ばれるようになっていた
“希望見せし闇”と

今日も私は独り歩く
美味しいアリスを求めて
空を見上げると新しいアリスが来る予感がした
自分の扉なんて見つけさせない
その前に喰ってやるから
どこに召喚されるかな、心が踊った──


──気付けば私はそのアリスと思わしき少年と倒れていた

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僕は猟兵といっても所詮殺人鬼
一部の地域では指名手配されてたくらいのね
そんな僕の話、聞きたい?


僕はダークセイヴァー生まれだったと思う
そこでの最初の記憶は不気味な笑みを浮かべる両親
最後の記憶は変わり果てた2人の姿をみて
嗤ってる俺だ

出身が曖昧な理由はその後何をしたか覚えてないから
気付けばUDCアースにいた
神隠し的な何かだと思う
住む場所を探していると変な町を見つけた
若者達が老人達を追放し、自分達の良いように使っている町
そう後から聞いた
聞く前に僕を襲ったのは
満たされない殺戮本能だった

“僕”と“俺”は同一人物
二重人格でもない
殺戮の限りを尽くしている俺は
両親を殺すまで出てこなかった僕自身の衝動

いつの間にかUDCアースじゃあ有名になってた
仕方ねえがな
だから山奥へ逃げた
見つかっちまったら元も子もねえ
殺戮衝動を抑えるつもりはない
これが俺の隠された才能であり性格

僕が俺である証

せめて日常生活くらいは猫被ってやる
敵だと思った奴にゃあ容赦しねえが
殺そうと思わない人には衝動は出ない
殺してえ奴には勝手に出てるがよ

いつ追っ手が来るか分からない
ならもう滅茶苦茶に切り裂いてやればいい
殺しの限りを尽くしてやればいい
俺を追いかけようなんて二度と思えないくらいに
ナイフを持って追っ手へと──


──僕は走った筈が知らない世界で黒ずきんを思わせる少女と倒れていた


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受け入れろ、今の現状を

俺はなぜこんな少女といる?
私はどうしてアリスといる?

考えろ、今できることを

殺せねえか、この状況じゃ
喰えないわ、この状況じゃ

協力しろ、未来を見るために

利用するだけして殺せば口封じになる
利用するだけしていつか喰ってやるわ

生き抜け、この腐った現実を

ここに来るまでの事、覚えてねえがこいつ多分使えるな
アリスは確か記憶がない、良いように洗脳できるはずよ

だったら

うわべだけでも協力してやれ
その後裏切っても自己責任だ

そうだよな?
そうでしょ?


仮初めの相棒さん

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基本情報
更新履歴
情報
作成日時:
2020/03/07 23:28:06
最終更新日時:
2020/03/07 23:28:07
記述種類:
標準

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2020/03/07 23:28:07