仮プレ置場4

作成日時: 2024/02/03 14:46:36
【白百合】6名

別行動を取る三人を手を振って見送って、あたしとアーネ(クリスティアーネ)、瑞穂は一路パワーストーンショップへ向かう。
あたしは赤のダッフルコート。冬場は着込まなきゃいけないから嫌なのよ。
向かうお店に石屋さんを選んだのは、プレゼントをまとめて買えるのは手軽だし、という横着な考えがあるのは否定しない。

歩くことしばし、商店街で若干異質な、天然木を店構えに使ったお店を見つけた。
あたしの石の知識は|翡翠《ジェイド》に|瑠璃《ラピスラズリ》、|玻璃《クリスタル》くらい。こんなお店が扱うという制限を外せば辰砂もそうか。
新しい石の知識は、全面的にアーネに頼ろう。陰陽道では石はそこまで深く扱わない。
お店の中を見回って、誰に何を贈るか相談しながら研磨された石の珠を選んでいく。
一つずつラッピングしてもらい、紙袋に相手の名前を書いた付箋を貼って。
これでプレゼントの用意は完了! さ、向こうと合流してパーティーよ。

パーティー会場は、普段旅団の会議室に使ってる大部屋。
あたしたちが買い物に出ている間に、三人の式神たちが手分けして準備して、今は中央のテーブルにローストターキーやらクリスマスケーキやらが並ぶ会場になっていた。
南瓜料理が目に付くのは、アヤメが冬至だからとねじ込んだらしい。ハロウィンじゃないんだけどなぁ。
あたしはベージュのワンピース。頭にサンタ帽を被って。
このメンバーを前に乾杯の音頭をあたしがとるのは僭越な気がするけれど、それも団長の役目。それじゃシャンメリーで乾杯! メリークリスマス!
みんなで飲食しながら談笑して、場が温まってきたところでプレゼントの交換に入る。
式たちには給仕を頼んで、諸事をやってもらう。アヤメ、羅睺とゆりゆりを上手く使ってね。式たちは後でベッドの中で可愛がってあげるから、今は給仕を頑張って。
あたしのプレゼントは、まあ持ってても邪魔にはならないでしょって感じに素っ気なく渡す。確かお店で、石の解説書いた紙を入れてもらってたはず。
みんなからプレゼントをもらえば、嬉しい気持ちをありがとうに込めて。
隣に来たイクシアに身体を預け。
ベランダへ出るガラス戸に目をやれば、雪が降っているのが見えた。雰囲気満点。みんなに知らせて、でもさすがに寒い外へ出て行くほど物好きじゃない。
パーティーが進めば、猟兵も式神も関係なくやり取りするようになっていて。
もうすっかり年の瀬。例年通りなら、年が改まればどこかで戦争なんだろうなぁと、猟兵の年中行事に意識が向きかけるのを苦笑したり。
そろそろいいかと、あたしはキッチンへ行って、ワインボトルとグラスを三脚持って戻ってきた。
ブルゴーニュの村名級格付け。飲めるのはあたしとニコルとアーネ。ゆりゆりにはあたしが口うつしで飲ませてあげよう。アヤメはサーブよろしく。二十歳前の皆は文句言わない。これは大人の特権。
そんなこんなで、聖夜は賑やかに更けていく。