N.E.U.R.O. DATABASE [version 2.0.1.3]
(c) 1900-1984 UNIVERSAL ARMAMENTS INDUSTRY Co, Ltd. All Right Reserved.
User: BRDYBK_JME
Password:********
Welcome back.
Command?: start welcome.wav
welcome.wav
おや、このストレージにアクセスしてしまったんですね。
いやぁ、秘密にしようとは思っていたんですが。何しろ私もこの記録が事実だという確証がないもので。
さて、このストレージなんですが、どうも私が企業で働いていた時代以前の記録が存在しているようです。
これは猟兵としての活動に影響することはなさそうですが、まぁ、いずれなにかの役には立つんじゃないでしょうか。
世の中、何が幸いするかわかりませんからねぇ。
次期主力機動兵器フレーム開発計画概要
当計画の最終目標は次期主力機動兵器への使用を想定したフレーム構造「Jaeger-Model Executioner」の開発である。
大前提として以下の要件を満たす。
・四肢を備えた人型であること
・従来型のモノコック構造ではなくフレームの外部に可動式装甲を装着する構造を採用すること
・兵装は汎用規格に沿ったものを採用すること
・自律思考、および行動が可能なOSを採用すること
自律思考可能なOSについてはセキュリティアプリケーション「ASIMOV-CHAPECK ver.3.1.2」をプリインストールすることで
安全かつ合法的に採用することが可能である旨を確認済みである。
また、人型として開発することで、UNB(Universal Neuron Bass)規格による遠隔操作に対応させる。
なお、現在研究中の「ユーベルコードを発現させる」機能の将来的な拡張を見越して、専用のCPUの搭載スペースを作成する。
このため、ジェネレータの動力に加えてCPUを動作させるためのエネルギー源を別途用意する。
企業案内
ユニバーサル・アーマメンツ・インダストリー株式会社は「戦場で戦う貴方」を応援する企業です。
主な事業内容は以下の通りです。
- 軍事製品の企画・開発・生産・販売
- 人員及び兵器の派遣・リース
- 戦闘オペレーター
- 通信オペレーター
- 各種携行装備品
- 機動歩兵
- 車両
- 航空機
- 船舶
- 資源採掘・運搬
- 軍用システム開発・実装
御用の際にはお気軽にお申し付けください。
事故記録No.532
[映像開始]
[ケーブルに繋がれたJ-MEの姿が映し出される]
管理官:時間だな。BEAST OSの起動試験を開始する。
エンジニア:J-MEのコアストレージにインストール完了。通常駆動試験からスタートします。
[ケーブルが抜かれ、J-MEの頭部カメラセンサーに光が灯る]
[歩行、走行、飛行、各種携行武装の使用について試験が行われる]
管理官:相変わらず凄まじい性能だ。流石は旧帝国時代のオーパーツ……。
エンジニア:BEAST OS、起動します。
管理官:よし、実行を許可する!
[エンジニアがコンソールのキーを叩く。次の瞬間、J-MEは携行武装をあちこちに乱射する]
[カメラアイが撮影者をとらえ、次の瞬間映像が乱れる。携行兵装の乱射を続けるJ-MEが映像の奥側で映り、手前に倒れ込む人間の手が映る]
管理官:何が起きている!?
エンジニア:……そんな、あんな機能は実装していない!
管理官:すぐに停止しろ! このままでは死者が増える!
エンジニア:……駄目です、終了コードを受け付けません!
管理官:どうなってる! くっ、退避、退避だ! 警備部隊に鎮圧させる!
[肩部レーザーキャノンの発射態勢に入るJ-ME]
エンジニア:隔壁突破されます……がぁッ!?
[カメラの映像が再び大きく乱れ、映像が途絶する]
[映像終了]
UAI人事部の記録
Name:ジェイミィ・ブラッディバック
Age:24
Status:退職済
人事異動記録:
製品開発部第2製品試験課
営業部第1営業課
営業部コンサルティング担当室・主任
営業部第1営業課・課長補佐
製品開発部第1製品試験課・課長
製品開発部・副部長(部長代理兼任)
特記事項:
40年前、本社ロジスティクス部資材調達課による資源採掘中に機能停止状態のところを回収される。
再起動を試みたが自我データが完全に消去されていたため、実験機として備品登録される。
様々な制御プログラムや火器の使用試験への活用を目的として第2製品試験課の管理下にあった。
ヒューマンエラーにより「獣の殺戮劇」(※事故記録No.532)を発生させるも、
原因がBEAST OSにあったこと、廃棄はリスクが大きいことから、
BEAST OSをシステムロックした上で実験運用が続けられる(アンインストールは不可能だった)。
24年前、突如自我データの再構成が行われ、自発的なコミュニケーション及び理性的な自律行動を確認。
8710番自由都市艦の条例では「自我データが存在するウォーマシンには基本的人権および市民権が与えられる」ため、
法令遵守の観点より社員待遇及び自由都市における市民権を与えることが決定された。
当初は従前のまま第2製品試験課の所属だったが、人事異動で営業部の所属となる。
営業部で目覚ましい営業成績を挙げたことで順調な昇進を遂げ、製品開発部への再移動後、
管理職として部下を率いつつFCS「ARTEMIS」、ハイエンドプラズマブレード「FS」シリーズなどの企画開発や
射突型ブレード「MJORNIR」、グレネードキャノン「JUPITER」などの評価試験を手掛けた。
3年前に退職済。退職理由は一身上の都合。
とある猟兵の報告書
依頼番号:████
依頼内容:オブリビオンで構成された自動人形部隊の撃破
結果:現地で傭兵部隊の協力もあり成功。
特記事項:傭兵部隊の中にいたジェイミィ・ブラッディバックについて。
ユーベルコードの使用兆候、およびグリモアへの適性を確認。
戦闘力が群を抜いて高く、世界による猟兵への適性付与がされているものと推測。
世界転移が認められるまで監視を行うよう進言。