UDC-1725

ObjectClass:Euclid

特別収容プロトコル：UDC-1725-4およびUDC-1725-SPは現在、被収容状態にありません。
また、関連オブジェクトの収容はエージェントとしてのUDC-1725-4の喪失
及びUDC組織の組織力を確定的に減じるため、
現時点での収容提案は即時却下されます。
UDC-1725-4,5を除くオブジェクトについては、
サイト－８１－■■「”天女の檻たち”」における、複数の邪神カルト教団との
共同封じ込めスキームを継続するものとします。
UDC-1725-5についてはサイト－８１－■■■における封じ込めスキーム
「”退屈な日々”」をUDC単独で遂行します。

概要：UDC-1725は日本国■■県■■市■■地域に居住する、他世界からの移住者を祖先に持つ血族です。
当代の家長をUDC-1725-1とし、世代交代の際には再ナンバリングを科すこととします。
また、UDC-1725-SPはホンダ社製バイク「スーパーカブ50」に酷似した形態を持つ宇宙バイクです。
シート下部の燃料キャップ付近に黒色の組成不明金属で構成された立方体が埋設されている以外は
一切市販のスーパーカブと差異はありません。
度重なる解析をもってしても、UDC-1725-SPの立方体様部品は一切を解析できませんでした。
UDC-1725の外見上はまったくホモ・サピエンスと同様の身体的特徴を持ち、意思疎通も可能です。
しかし後述する歴史上の経緯とUDC-1725-SPの存在により、当該血族を他の移住者（”神隠し”）と
同様に扱ってはなりません。

UDC-1725と我が組織の前身が接触したのは明治時代に遡ります。
当時のUDC-1725-1からこちらへの接触を求めてきたため、
O5相当職員[編集済]が接見の機会を持ちました。

《以下、文献による会話記録》
UDC-1725-1：　いや助かった。ようやく話が分かる輩に会えたようだ。
O5[編集済]：　話が分かる？私たちは文明こそ列強に遅れているがそこまで野蛮ではないと自負していますが。
UDC-1725-1：　ああ、その反応。それでこそ理性を持った超常の集団だ。奴らとは違う。
O5[編集済]：　奴ら？
UDC-1725-1：　ああ。こちらに来て[編集済]とか、[編集済]とかそういう輩にばかり会ってきたもんでな。
※両[編集済]とも、敵対的カルト集団[編集済]の前身組織です。
O5[編集済]：　よく無事でしたね。
UDC-1725-1：　そら俺っちが奴らが望むものを与えたからだろうな。だが気に食わん奴らだからどっちからも逃げた。
　　　　　　　どっちもお宅の名前を出したんで話を聞いてみようと思ったんだよ。
O5[編集済]：　その望むものとは。
UDC-1725-1：　その反応だとピンと来たんだろ。そうさ、奴らが言うとこのカミサマさ。
　　　　　　　 俺っちの相棒の中に呼び方がちょっと残ってたのを教えてやったのさ。
　　　　　　　 ま、さして力のない割に回りくどい事しないと呼べないものばかりだけどな。
O5[編集済]：　あなたを拘束します。あなたがどんな危険な事をしたのか分かっているのか。
UDC-1725-1：　分かっているよ。だから取引だ。俺っちや俺の家族になる奴は誰か、
　　　　　　　 俺っちの相棒と一緒にアンタたちに力を貸し続ける。
　　　　　　　 その代わり、表面上でもつつがなく暮らさせてくれや。
O5[編集済]：　それは私の一存では決定できません。持ち帰り検討します。
UDC-1725-1：　いい返事を期待しているよ。
《記録終了》

結果として、当時の組織は提案を飲みました。
しかしそれと並行して複数の敵対カルトに接触を試み、
UDC-1725-1が（それぞれ別の対価ではありますが）
接触したすべての組織に庇護を求めたことが判明しました。

ゆめゆめ忘れてはなりません。
これは「保護」ではありません。
これは「監視」です。
少なくともUDC-1725は所持する邪神の情報をすべて開示したわけではありません。
それでいて、脅威となる邪神の情報はいくつものカルト教団に提示された後です。
我々はカルト教団にこれ以上の力を付けさせる訳にはいきません。
それは他の組織も同じで、封じ込めスキームは
組織間の「抜け駆け」を防ぐための側面を持っています。
その側面は我々にも向いています。

エージェント"J"の終了事案を教訓にしなければなりません。