シャト君/f24181

靜で少し寂しくて
悪戯にいのちを賭すには好い場所だね
今ばかりは余計な言葉は不要だろう

僕と踊ってくれるかい、シャト君
凶爪を打ち鳴らす

母の気配に背を向けて
ただ闘争に興じよう
終ぞ関心を得られなかった
その事実から逃れるように

酒精に酔っても居ないのに
啜溺の爪を振う程
万年筆が赤い軌跡を綴る程
ふわり昂る空ろな心
君の筆は僕の感情を
ようく揺らしてくれるね、シャト君

視界に舞う鮮血が余りにも美味しそうで
何方が溢したか分からぬ其れに
牙を覗かせからりと笑う

ねェ、今の僕たちは
故人にどう見えているのかな

はは、違いないね
こんな遊戯に興じれるのは
生者の特権だろうから

あァ、勿論さ
もっと魅せ付けてやろう