MPC1000を何故武器にするか
アカイが自身の「発生した音を操る能力」を使用するにおいて、
武器として使用しているのがMPC1000という機械。
UDCアースのAKAI professional M.I.株式会社(アカイとはたまたま名前が一緒の会社)が2000年代初頭に売り出したサンプラーが、このMPC1000である。
サンプラーを簡単に言うと
「ボタンを押すと録音した音が再生され、押すタイミングや回数を記録して曲にすることが出来る機械」だ。
当時10万近くするサンプラーの中で売り出されたMPC1000は4~5万と言う低価格故に流通量が多く、
現在も愛好家が多いが、アカイもなにも趣味だけで武器にしている訳では無い。
理由は3つある。
1つが、アカイの能力。
音を操る、というと聞こえは良いが、音を「発生」し操る能力ではない。
アカイの能力は発生した音の方向性(定位)、大きさ(音圧)、質(周波数や波形)…excを操るだけであり、音を発生させる必要がある。
加えて、上記の能力で音の性質を本来のものと真逆に変えると能力の質が落ちるというデメリットもある。
(救急車のサイレンでも加工してベースを作れるが、シンセサイザーで作った方が早いし音も良いのと同じ理屈)
結果、能力で操る元になる音それ自体の質も能力に影響され、
味方にバフをかけるにはこの音、攻撃するにはこの音…等色々必要になってしまう。
しかし、アカイ自身が楽器や歌に習熟していないため、
狙ったタイミングで狙った音を出すような高度な技量は土台無理となる。
さて、どうするか。
簡単である、必要な音をパッド一つでいつでも再生出来るサンプラーを武器にすればいい。
2つめが、MPC1000のスタンドアロン性の高さ。
MPCシリーズは現在(UDCアース暦2020年1月19日)でもシリーズが続いており、先日もシリーズ15機目のMPC ONEという最新機が発表されている。
MPC以外にもサンプラーは多くあり、現在でも最新機種が開発され続けている。
当然最新機の方が性能は良い。
そもそもMPC1000は当時10万代したサンプラーの中で、
半額近くで売られていただけあって機能のシンプルさはサンプラー1である。
が、高性能というのはつまり…
・筐体の巨大化
・機能を拡張するためにスタンドアロン性が犠牲に
・精密機械化が進み耐久性が弱くなる
を意味していた。
少なくとも、サンプラーはそうだった。
最新機のサンプラーに共通しているのは持ち運べない程デカく、
バッテリーが無く電源コンセントが必要で、めちゃくちゃに壊れやすい、と猟兵の任務にはとにかく不向きだった。
こうしてアカイの武器は3つに絞られた。
携帯出来てスタンドアロンで使えるMPC1000、MPC500、SP404の3つである。
最後の3つめ、専用カスタムショップの存在。
UDCアースの渋谷という街には、
〇HOST 〇N MPC(仮名です)というサンプラーやシンセサイザーの、
オーダーメイドカスタムショップがある。
店名通り、MPC…中でも流通量の多いMPC1000のカスタマイズが一番有名な店であり、
アカイが使用しているMPC1000もここで猟兵向けのチューンナップが可能であった事が決め手になった。
カスタムの内容は…ぶっちゃけ別物レベルにされている。
ボディを航空機で使われる合成カーボンを使った素材にし耐久性を上げ、
粗雑に扱えるよういくつかの機能を無くして簡素化、
長時間使えるようにバッテリーを最新スマートフォンの物へ変更、
更に単独で使える様に内部にスピーカーを仕込み、
出音が太くなるようアカイが調整したコンプレッサーも付属…と、
訳の分からないカスタムが施されている。
ここまでカスタマイズされても流通量が多いだけあって部品の流通は多く、
メンテナンスも効く、という事でアカイの武器はMPC1000と相成った。
今日もアカイの武器は見知らぬシナリオマスターを困らせてる事だろう…。
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