小夜の設定

作成日時: 2020/08/18 07:09:48
●小夜の過去

元々はとある名家の一人娘として、優しい両親の愛情を受けて育った。この頃は明るくお転婆なところがある、ごく普通の少女だった。

五歳の時両親と旅行に行った際に事故に巻き込まれ、両親は瀕死の重体。自身も重傷を負う。

その時救助に駆けつけた帝都の人間の中に、偶然紛れ込んでいた三代目の黒蝶は、小夜にある取引を持ちかける。

「小夜が三代目のモノになれば、両親は治す」と

それしか選択のない小夜はその選択を承諾する。
この日以降、小夜はただの少女から、盗賊黒蝶としての道を歩くことになった。

(両親は三代目の手により完全に回復。しかし、三代目の術によって記憶を弄くられ、黒蝶の部下の少女を娘だと思い込んでしまっている)

アジトに連れてこられてから、小夜は三代目から調教や虐待に等しい方法で、ありとあらゆる知識や技術を学ばせられる。

この経験がトラウマになり、小夜は美しい女性を愛するようになり、また、被虐色情者の一面を持ってしまう。

そうして二年後、これで十分だろうと判断した三代目は、小夜に自分の黒い蝶の刺青を移植する事を決める。

三代目は小夜に刺青を移植した後、特製の薬を飲んで自殺。こうして小夜は黒蝶の四代目を襲名することになる。

四代目として初めての仕事は、死んだ三代目の遺体を加工して、美術品に仕立て上げること。教えられた情報と、刺青からの知識によって、小夜はこの仕事を問題なく終わらせた。

その後、正式に四代目になったことを表明。刺青を見れば大体の人間が素直に従ったが、小夜が黒蝶を名乗ることに反対する者もいた。

そういった人間は小夜が直々に「教育」し、服従させていった。このときの経験によって残虐色情者の一面が生まれる。

先代からの部下を全て従え、黒蝶にふさわしい心を持つようになり、四代目黒蝶は完成した。

●小夜の周りの人物

○小夜の両親
二人とも優しい人物であり、今でも小夜は二人を深く愛している。しかし、黒蝶を継いで会うことはなくなり、娘として振る舞う部下からの近況報告を聞くのみ。

○三代目黒蝶
小夜と両親の命の恩人にして、小夜の人生を狂わせた元凶。悪辣な手段を平然と行う外道だが、一定の美学を持っている。小夜からは未だに尊敬されている。
かつてない素材として小夜に惚れ込んでいたので、その「教育」には非常に熱が入っていた。
スペインの人間とのクォーターであり、武器はサーベル。死体操作と風水による地形と運気の操作を得意とした。
見た目はスーツを着た長髪の優しげな美女。現在は小夜の地下美術館に遺体が飾られている。

○二代目黒蝶
黒蝶の二代目。小夜は飾られた遺体と刺青の知識でしか知らない。
インドの殺戮教団の出身であり、そこで特別といわれた存在だったが、15歳の時に教団を抜け出し、紆余曲折あって二代目の黒蝶を名乗り、活動しだした。
肉体が凶器とされる程の身体能力の持ち主で、UCも術も使わずに、鉄扇のみで虎やクマや狼を解体してみせた。
教団で学んだ眠りや幻覚に誘う術を得意としていた。
チャイナ服を着た褐色肌の妖艶な美女。豪快な姉御肌の人間だった。三代目同様地下美術館に遺体が飾られている。

●小夜の部下

○フミヨ
小夜の一番の部下であり、表向きの黒蝶としても振る舞うことがある。
三代目の頃から側近として活動しており、幾つかの仙術も扱え、左肩に偽物の黒い蝶の刺青を入れている。
常に冷静で淡々としている、どこか三代目に似たスーツ姿の美女。
実際は幼い小夜の身を案じ、自分が出来る限りのフォローを行っている。

○マユミ
小夜の両親の娘として振る舞っている、部下の少女。小夜と同い年であり、当初は小夜の黒蝶襲名に懐疑的だったが、小夜の「教育」を受け、絶対服従を誓うようになった。
どこか小夜に似た美少女であり、盗みと格闘技を得意としている。

◯一寸法師
見た目は可憐な少女だが、実際は成人した男性。とある富豪の家で妾の子として生まれ、虐待されて育った為に成長が止まってしまった。
その後、富豪一家に復讐をしてから裏社会で活動をしていたが、ある時から小夜の部下として活動しだす。
生い立ちから皮肉屋ではあるが、小夜の事を慮る等根は優しい
小夜の部下の中で一番常識人の為、他の部下達のストッパー役になっている。

○道化師
双子の妹と常に比べられ、自分は醜いと思い込み、男か女かも分からない道化師の扮装で自分の姿を覆い隠すようになった女。
嫉妬と劣等感から妹を惨殺し、さ迷っていたところを小夜と出会い、小夜の愛を受けたことで心酔。以後忠実な部下になる。
生来の陰気さと抱えた闇によって、美しさが陰り、人を遠ざけているが、実際はなかなかの美人。
小夜はその抱えた闇を気に入って引き込んだ。

○ハンリュウ
犯罪心理学の博士にして、犯罪に魅せられてしまった破綻者の男。
様々な犯罪を収集し続けていたが、特に芸術のような犯罪に深く傾倒しており、そういった犯罪を行う黒蝶に、それを特等席で見ることを条件に協力している。
芸術家としての才も持ち、いくつかの作品を世に送り出している。

●地下秘密美術館について
三代目が帝都政府に表向き従いだしてから建造された美術館。
帝都郊外にある屋敷の中に入口が隠されている。なお、屋敷の主人はフミヨということになっている。
美術館の中には、エントランスホール、様々な盗品や購入品を展示した部屋、捕らえた人々を閉じ込める牢屋、部下達が生活をするための空間、そして、あるモノを作るための作業室などがある。
展示してあるものは、宝石に絵画や彫像などの美術品、様々な書物や貴重な動物の剥製など。
加えて、黒蝶独自の技術により、人間を剥製に加工したモノを展示している。
この人間剥製の元になった死体は、三代目が世界中から美しい人間の死体を集めて(その為に殺してはいない)作り上げてきた。
小夜が一から作成したのは、今のところ三代目黒蝶の剥製のみ。


◯初代黒蝶
怪盗黒蝶の始まり。天仙に至った仙人であり、美しいモノを狙って活動していた盗賊(スタンスは義賊寄り)。
また将来美しいモノになるとして、孤児を集めて世話をしていた。二代目は彼女に拾われて部下として働いていた。
しかし、彼女は不完全な仙人である自分の死期が近づくにつれて狂い出し、最終的に自分を不老不死の完全な存在にするために、孤児や部下達を触媒に国を巻き込んだ大規模な仙術を行使しようとしたが、それを二代目の手によって阻止され、本人も二代目の奥の手の術で殺された。
狂う前は穏やかで優しい性格であり、子供好きでよく一緒に歌を歌ったり、遊んであげたりしていた。
そんな彼女を二代目も尊敬し、憧れていた。
死期が近づき力が衰えていた為に二代目が殺しきれたが、もし全盛期のままなら触れることすら出来なかった程の力の持ち主。

◯二代目黒蝶追記
本名はラシ・ヨーギニ。特別扱いされていたのは彼女が教団のとある術を唯一使えたため。教団を抜けられたのも、教団上層部のとある判断があったためである。教団を抜けてから行くあてもなく放浪していたが、初代に拾われて部下として活動するようになる。
そこで仙術を学びながら初代に認められていき、彼女の右腕となっていく。
二代目は初代の人柄を好み、彼女に強い敬愛の念を抱いていた。
だから、自身に死が近づいているという初代の心の奥底が読めず、気づいた時には手遅れだった。
それでも、彼女の暴挙を止める為に奮戦。最終的に彼女を殺す羽目になる。
その後、彼女は二代目の黒蝶を名乗り、初代と同じく盗賊として一人活動するようになる。
盗賊として稼いだお金の半分は、初代の孤児院を引き継いで運営する元仲間に送っていた。
初代を殺したことはトラウマになっており、殺す瞬間を何度も夢に見るようになってしまっていた。
黒蝶として活動している途中、スペインでとある事件に遭遇し、そこで三代目と出会い、彼女を部下としてスカウトする。
そうして、初代のように死期が来るまで、二人で世界中を又にかけて活動をしていた。

◯三代目黒蝶追記
本名は緑川レイナ。スペイン人と日本人の混血で、スペインで生まれ育つ。
とある事件に巻き込まれたが、そこで二代目に助けられてから彼女に一目惚れし、そのまま彼女の元に押し掛けて部下となり、盗賊として活動するようになる。
二代目とはお互いに強く結びついていたが、彼女の中の最も愛する人間が初代であるという事を察しており、それに強い嫉妬を覚えていた。
二代目の死後、彼女の遺体を加工し、永遠の美として自分のモノにしてしまう。
黒蝶としては二代目とは変わって一切正体を現さず活動するようになり、また、帝都に仕える事で自分の表向きの地位を獲得するなど、狡猾に活動するようになる。
性格は表面上は優しげだが、実際は嫉妬深く、冷酷なサディスト。
二代目に関しては常軌を逸した感情を抱えており、彼女が関わると表向きの仮面が剥がれてしまう程
小夜に関しては、実は彼女の正体を知っており、偶然見つけた小夜に抱えていた様々な感情が爆発し、事故を起こして彼女に選ばせる形で自分の元に引き込んだ。
そして二代目の心を奪った初代と小夜を重ね合わせ、自分に屈服させる為に様々な調教を施す。
最終的に自分をお姉様と呼び慕うようになった小夜に、自分から二代目を奪った初代を屈服させたと喜び、歓喜に満たされたまま自ら毒を呷り死ぬことになった。
なお、小夜のことは憎みつつもいとおしくも思っており、複雑な感情を持っていた。
刺青に記憶等の継承の機能を持たせたり、国の権力の中に身を潜めることや部下を大量に持つことなど、今の黒蝶の方針を定めた存在
幼い頃は身近な英雄である闘牛士に憧れており、使っている武器やとある術等にその未練が垣間見れる。

◯小夜追記
初代が転生した存在。
三代目によって再び黒蝶となるが、当然初代としての記憶はなく、刺青も記憶がところどころ意図的に抜けている為、自分の正体に気づいていない

三代目による調教による植え付け、小夜本来の人格、刺青による記憶の流入などが混ざりあい、非常に危ういレベルで現在の人格が保たれている

◯世番井玄水
二代目以降全ての黒蝶と関わっている探偵。
二代目とはル●ン三世と銭●警部みたいなライバル関係。三代目とはお互いがお互いのトラウマを抉った不倶戴天の敵同士。小夜とは今のところ保護者みたいな関係。