晃
「お前さぁ、ほんと馬鹿だよな」

澪
「どうして？」

晃
「呼ばれたからって普通来るかよ。
　なにされるかわかってるくせに」

澪
「本当なら断るつもりだった」

晃
「本当なら？」

澪
「僕が、来たくなったからさ」

晃
「は？」

澪
「腕……火傷、増えてるよ」

晃
「っ……見るなよ」

澪
「見えたんだよ、今朝。
　授業中苛々して、ボールペンカチカチやってたでしょ、その時見た」

晃
「……」

澪
「それで、今日はなにされたの？」

晃
「お前には関係無いだろ」

澪
「あるよ。
　僕に同じことするんでしょ」

晃
「……」

澪
「今日はなにするの？
　殴る？ 蹴る？ それとも煙草？」

晃
「お前、マジでムカつく」

澪
「それもう言われ慣れた」

晃
「何されても、文句言うなよ」

澪
「言わないよ、今日だけは」

晃
「死んでも言うなよ」

澪
「死んだら言いたくても言えないから。
　それで？
　結局なに？」

晃
「……首絞められた。
　んで、窒息しかけた」

澪
「じゃあ僕も窒息？」

晃
「そうだな……窒息させてやるよ。
　従順な良い子には特別に、優しくな」