科学が発達し、増えすぎた人類はやがて月へとその住処を拡張した。
月面に多くのコロニーの枝を伸ばし、
『月人』と呼ばれるようになった元地球人たちは、
巨大なコンピュータ『観測者』のもと、整然と管理された生活を送るようになっていた。
しかしやがて進歩に行き詰まりを感じるようになった『観測者』と『月人』たちは、
かつて歩む道を分かった『地球』へと興味を示す。
限りなく『地球人』に似せられた姿で、『観測者』の情報を脳に埋め込まれた『端末』たちは、
地球に降り立った。
月へと変化を齎すために、そして『地球』のことを、『地球人』のことを知るために。
という『設定』の、空想未来からやってきた少女。
りゆらにとって、EDEN含むすべてのルートの人類は、情報収集対象であり、興味の対象である。
無表情ではあるが、人懐っこく、子どものように様々なことに興味を示す。
彼女の眼は、月人と観測者の科学力の粋を尽くした『観測眼』であり、
現在・過去・未来・イフの世界(別のルート)を居ながらにして見通す目である。
でも、人の心まではわからない。
観測できるのは『起きた/起きる事象』のみである。
いわゆるヘタウマタイプの音痴。
その歌声には独特の波長が含まれている。
月の『観測者』と通信するための電波である、とは本人の弁。
いつも手に持っているのはレトロなスマホ……に見えて、
こちらも月の科学力を尽くした最先端端末であるらしい。
サブ記録端末として持たせてもらった。
もっとも、最近は『地球』のゲームに首まで浸かってしまったりゆらによって、
もっぱらゲーム用端末として使われている。