PBWめも
お題:瞳に包帯
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ねぇ、君は何故泣いてるの? 何故耳を塞いでるの? 世界に絶望してしまった? 悪夢の続きが怖くなった? そうだよね。 この世界は汚れているから。 君みたいな綺麗な人間が、存在していい場所じゃなかったんだ。 助けてほしい? 僕ならそれが出来るんだよ。 さぁ哀れなお姫様、この手を取って。 救いの魔法をかけてあげる。 ほら、ね……良い子だ。 瞳に包帯巻きつけて。 鎖で君を閉じ込める。 隔離された闇の世界。 二人ぼっちの夢の国。 これでもう大丈夫。 僕が君を護ってあげる。 この鳥籠に居る限り。 君はずっと、綺麗なまま。 その瞳が映すのは、僕の姿だけでいい。 その耳が拾うのは、僕の声だけでいい。 夢の世界に悲しみなんて有りはしない。 僕と君の心には、歪で冷たい幸せを。 「澪、ご飯の時間だよ」 「もう? 今日はなに?」 「君の好きなオムライス。 見てみたい?」 「ううん……大丈夫。 折角巻いてくれたものだから、今日はこのままがいい。 ありがとう、ご主人様」 「どういたしまして。 さ、口開けて。 食べさせてあげるよ」 僕だけの素敵なお姫様。 君に誓いのキスを贈るから。 過去なんて忘れて、僕に溺れて。 同じ場所まで、堕ちておいで。 君は永遠に、僕の物。
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