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リギア/アルマリジーアについて
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リギア・ルヴァン 享年18歳 クロムキャバリアはララベス藩国の山村出身。旧姓ホール。 貧乏な家の娘であったが、黒髪の美しさをかわれ、幼くして武器商人の妻となる。 人身売買にも等しい婚礼であったが、それがララベスでは「あたりまえ」であった。 暴力的で支配欲の強い夫の下、自由を奪われたまま育つ。 彼女の居場所は台所と寝室の二つだけであった。 リギアが自分の「武器」に気付いたのは13の時であった。 不幸で幼い人妻は、男の劣情を呼び起こすに十分であった。 欲まみれの目で見てくる夫の弟。それに身をゆだねる対価として、書物を読む自由を得た。 世界の広さを知ったリギアの胸に、野心が燃え上がる。それは、夫の殺害と自由の獲得であった。 独自に磨いたナイフの技は、やがて練達の域に達する。 そしてある日、彼女は夫を殺した。 逃げようとする彼女を使用人たちは捕まえ、口々に罵り、「処刑」を行った。 ララベスの法は水の中の紙よりも脆かった故に。 黒髪のリギアは、弔う者なきまま、森に捨て置かれた。 リギア・ルヴァンは悪女であった、と皆は言う。 暴力と無法にあらがった人間である、と呼ぶものはいない。 * アルマリジーア・ホープスター 27才 不条理への怒りは、彼女を屍者として蘇らせた。黒髪は燃える炎の緋色と化した。 芝居がかった名前は、彼女が自分で名付けたもの。 希望に溢れる姓は、落ちていた酒瓶のラベルからつけたもの。 背は伸びなかったが、顔は整形し、素性は新しく手に入れた。 移動式の事務所で探偵業を営みながら、時には傭兵として戦う。 アンニュイな様子の底で、この世に対する怒りの炎と闘志をあかあかと燃やしながら。
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