バルドヴィーノ・バティスタ(TW6)の設定メモ

作成日時: 2020/07/15 22:23:11
※設定の備忘録として雑多に書き連ねていますがMSや他プレイヤーへ参照を強制するものではありません

【基本情報】

とあるダークセイヴァーの一地方で噂の盗賊犯。
実際に犯したことのある犯罪内容は窃盗、強盗、器物損壊等小粒なもの。
やらかした数は多いので幾度となく捕らえられ牢に放り込まれ
……その度に牢を破ってきたのでした。
この世界の秩序側もとい支配層たるヴァンパイア達を嘲り嗤うような活躍を伝え聞いたある者は『愚か者だ』と顔をしかめ、またある者はこう笑ったそうです、
『いいぞ、もっとやれ』と。

閉塞感漂う世界を自由に駆ける姿に一種の英雄像を見出だされたのか、単純に民衆が娯楽に飢えていたのか。
ともあれ稀代の脱獄王の活躍は、人々の夢や憧憬、ウケを狙い話を盛る語り部、これ幸いとばかりに押し付けられる知らない罪状などで大いに尾ひれはひれをくっつけながらゆっくり着実に広がっていきました。
素性については『弱きを助け強きをくじく義賊』『ヴァンパイアに国を滅ぼされた復讐者』『悪魔と契約し化身した獣』
と話によってかなりバラつきあやふやで、この正体不明さも人々を惹き付ける要素となっていたようです。
……その実態はこの通り、場当たり的でお調子者、朝昼から酒は飲むわ賭け事好きでよく有り金をスるわ精神年齢は男子中高生並みだわで
盗賊としての技量を除けばダメ人間の領域に入っている成人男性であることを知る人物は限られているのでした。

ノリは軽くテンションの乱高下が激しい。よく喋りよく叫ぶため非常にうるさい。
反社会的行為上等、口を開けば軽口と悪態の尽きないならず者。
なんだかんだで人からの善意や期待を無下に出来ない性質で、かといって大義を掲げてる訳でもなく、死の恐怖に足がすくむ。
要は半端者。誰かに定められない自分だけの自分になりたかったが、結局外れた道を堂々と歩む大悪漢にも、正道を慎ましく歩む善人にもなりきれなった。

病を癒す術が見つからなければ命は尽きる。持って30歳まで、運が悪ければ明日にでも。
いつかその日が来たとして、その時自分は何かになれているだろうか。


【経歴】

訪れたその土地の領主は傲慢さと悪辣さで有名なヴァンパイアでした。かねがね噂は聞いていたので早いところ立ち去ろうと彼は決めていたのですが、領主の像をうっかり壊したことで追われる羽目になり投獄されてしまいました。領主に目をつけられ自慢の監獄に捕らわれたが最後、脱出など不可能、残りの生は領主の嗜虐趣味を満たす材料として使われ苦悶の末に死んでいくのだと、そう言われていました。

……まさかたった一人にそれが覆されるとは民も領主も想像できたでしょうか。不落の牢が破られた報せは瞬く間に広がり、彼の腕に刻まれた獄中での識別用の刻印は、かの監獄に囚われながらも生還した彼を表すシンボルとして語られるようになりました。
……この印と逸話が原因で行く先あちこちで面倒事や木っ端な輩に寄られては蹴散らしたり逃亡することが増える羽目になるのですがそれはまた別の話。

……たかが一人、されど一人。支配から抜け出たという事実は領主にとって耐え難い汚点でした。彼奴には死以上の報いを与えねば気がすまないと判断した領主は同胞達と共謀し、ある奇病の感染者と呪術を用意します。

月満ちた夜のことです。彼が訪れた時には既にその村は陰惨たる有り様でした。人の気配は感じられず、残っていたのは引き裂かれた肉塊におびただしい血。
ヴァンパイアの狩場にされたか異端に貪られたか。ともかく宿に泊まるには他を当たるべきだろうと踵を返した矢先、路地にうずくまった小さな人影に彼は気づきました。
……凡そ普通ではない、と理解はしていたつもりです。それでも近づいてしまったのは油断があったからか、それとも人影が酷く苦し気に見えたからか。声をかけようと手を伸ばした一瞬を影は、怪物は見逃しませんでした。
伸ばした手は食いちぎられ、走る足は押さえつけられ、胸には爪を、喉には牙を突き立てられ……視線を動かし見えた自分のと同じ印から誰の差し金かを察したものの時すでに遅く。残った頭も噛み砕かれました。

気がつくと街外れの道に彼は倒れていました。すぐに五体を確認しましたがどこも欠けておらず、むしろ活力が身体中満ちているようでした。昨晩は悪い夢でも見たのだろうと結論づけ、街へ入ろうとしたその時、
『狼だ』『隣の村を襲った狼が出たぞ!』『殺される前に殺せ!』
……悲鳴と怒号はこちらへ向けられていました。

【アイテム】

  • 【BW-1954】
Broadway 1954.
メーカー不明のワイヤーロープとハーネスのセット。着用すると着用者は『空を飛べる』という漠然とした感覚を抱くようになり、
運動能力に関係なくワイヤーを利用し空を飛べるようになる。飛翔の回数を重ねるごとに、よりアクロバティックな動きもできるようになり、
最終的には道具無しでも飛翔が可能になる……が、この段階まで達した着用者は消失する。構造や素材から、元はUDCアースで作られた物と思われるが
複数世界で存在が確認されているようで、UDC(組織)はエージェントや猟兵に発見次第回収を呼びかけている。
幸い異常特性が現れるのは子供が着用した場合に限られ、大人にとっては丈夫なただのワイヤーとハーネスに過ぎない。
そのためバルドヴィーノはダークセイヴァーで拾ったこれに改造を加えて使い倒している。

【RCAD】
Raining cats and dogs.
アリスラビリンスで拾った『紳士のための洋傘』という触れ込みつきの洋傘。
激しい攻撃の雨にも耐える頑丈な生地と骨組みを持ち、
手元の引き金を引けば石突から散弾をバラまいて、土砂降りが通り抜けた後のようにズタズタの穴だらけにする紳士のための洋傘。
いったいこれのどこが紳士のためのものなのか。バルドヴィーノは訝しんだ。

【幼年期】

元々は想像力があり、他者の感情や思考に敏感な臆病で大人しい子供でした。
上のきょうだいも下のきょうだいも乳児や幼少のうちに死んでいくような劣悪な環境でしたが
親には恵まれ、唯一生き残った子として両親から大切にされながら少しずつ明るさと優しさを身につけ育っていきました。
『どんな時も善く生き、誠実に人と接すること』を美徳とする両親でした。
そうすることで巡りめぐって報われるということをよく説かれたものです。
周囲の大多数とは異なり色が濃い肌故に誹謗や冷淡な目に曝されても尚、善良な生き方を貫き通す両親のように在りたいという夢は、
彼が6歳の時に言われなき罪で両親が首を括られ吊るされたことで粉々に砕け散りました。

その結果善く生きても悪く生きても何も変わらないなら犯罪者の子という悪評その通りに生きた方が楽だし
こうなったら犯罪ひとつやるのも百積み重ねるのも変わらねーよバーカ!!の精神に振り切れてしまって20年くらい経ったのがこちらになります。