落浜語

作成日時: 2019/06/23 12:24:45

落浜語


かつて名人といわれた噺家、桂馬亭詠丸(けいまていえいまる)の使っていた高座扇子のヤドリガミ。
現在は頼まれると落語を演じるアマチュア噺家でもあり、その際は「語亭落雁」を名乗る。淡々とした早めの語り口で、合う合わないが分れやすい。
いつでも着物だが戦闘時は洋服。戦闘には噺家としての物を持ち込まない、が信条。使う人形は文楽人形を模した物
基本面倒見のいい兄ちゃん。最近、弄られ属性50がついている気がする。

ヤドリガミとして、かりそめの肉体を持ったのはここ数年。それ以前から付喪神の様な形で存在はしていた。
付喪神の様な頃は、詠丸と彼を敬愛していた川方亭燕清(せんほうていえいせい)のみ、たまに姿が見えていた。
かたりはその二人から呼ばれていた名であり、ヤドリガミになった際、名字を付けるのに合わせて漢字表記にした。

二人を敬愛し、尊敬し続けそれに依存する。







かたり

かつて名人といわれた噺家、桂馬亭詠丸の使っていた高座扇子、そのもの。
扇子でありながら、透けているとは言え幼子の姿を持ち、詠丸及び燕清にはその姿を見せていた。
初めのうちこそ、ただボンヤリと使い手である詠丸の側にいるだけだったが、次第に言葉を覚え、感情を知る。
大概ニコニコと子供らしい姿で、詠丸と燕清に可愛がられていた。
かたり自身も、詠丸と燕清、そして二人の口演する噺が大好きだった。あの日までは。

詠丸の死を境に、姿を取ることができなくなり、20年ほど空白の時間がある。
再び目覚めたとき、はっきりとした実体があった。けれども、その姿は今までの物とは全く違う物。
その姿が何だか嫌で、居心地が悪く。出した答えは、自分をかたる。
見た目に合うように、自分とは掛け離れたものに。

おふたりのことは、だいすきです。でも、やっぱりすこしうらんでます。
なんで、どうしておいていったのですか。