落浜語

作成日時: 2019/07/11 23:17:20

落浜語


かつて名人といわれた噺家、桂馬亭詠丸(けいまていえいまる)の使っていた高座扇子のヤドリガミ。
現在は頼まれると落語を演じるアマチュア噺家でもあり、その際は「語亭落雁」を名乗る。淡々とした早めの語り口で、合う合わないが分れやすい。
いつでも着物だが戦闘時は洋服。戦闘には噺家としての物を持ち込まない、が信条。使う人形は文楽人形を模した物
基本面倒見のいい兄ちゃん。最近、弄られ属性50がついている気がする。

得手、好き:適当をそれっぽく語る事。噺を聞き喋る事。甘い物。
不得手、苦手:人付き合い。背中に引っ付かれる事。クラゲ

ヤドリガミとして、かりそめの肉体を持ったのはここ数年。それ以前から付喪神の様な形で存在。
付喪神の様な頃は、詠丸と彼を敬愛していた川方亭洛清(せんほうていらくせい)のみ、たまに姿が見えていた。
かたりはその二人から呼ばれていた名であり、ヤドリガミになった際、名字を付けるのに合わせて漢字表記にした。
二人を尊敬、敬愛し、依存。本人はそれでいいと思っている。
詠丸が亡くなる際、進めるだけ進んでから会いに来い、途中で振り返ったら怒る、といわれている。
洛清からは、できうる限り生きて詠丸師匠の事を、魂を思いを伝えてほしいといわれた。

ヤドリガミになった直後は、寄席『雪華亭』席亭の計らいで、そこで働いていた。
いつも使っている人形はそこの倉庫に保管されていた。
一年ほどのちに元の持ち主からその人形を譲られ、猟兵となる。

『おれ』の事を知らなくとも構わないと思っていた。けれど、それがどこか怖くなった。

基本的にいつ死んだって良い、程度の考え。でも、今はまだ―――。












かたり


かつて名人といわれた噺家、桂馬亭詠丸の使っていた高座扇子、そのもの。
扇子でありながら、透けているとは言え幼子の姿を持ち、詠丸及び洛清にはその姿を見せていた。
初めのうちこそ、ただボンヤリと使い手である詠丸の側にいるだけだったが、次第に言葉を覚え、感情を知る。
大概ニコニコと子供らしい姿で、詠丸と洛清に可愛がられていた。
かたり自身も、詠丸と洛清、そして二人の口演する噺が大好きだった。あの日までは。

詠丸の死を境に、姿を取ることができなくなり、20年ほど空白の時間がある。
再び目覚めたとき、はっきりとした実体があった。けれども、その姿は今までの物とは全く違う物。
その姿が何だか嫌で、居心地が悪く。出した答えは、自分をかたる。
見た目に合うように、自分とは掛け離れたものに。

おふたりのことは、だいすきです。でも、やっぱりすこしうらんでます。
なんで、どうしておいていったのですか。

語のもつヤドリガミになる以前の記憶はすべて、かたりの物。
また、本体の高座扇子=かたりであるため、かたりが活動する間の記憶は、かたりが共有しない限り、語はしることがない。








(以下背後纏め)
語とかたり
二重人格というわけではないが、二重人格ともいう。
一人称が俺→語
一人称がぼく→かたり
語はヤドリガミで猟兵の26歳、落浜語
かたりは高座扇子のかたり
はたから見ればそこに大きな違いはないが、本人にとっては違う物らしい。
かたりの言い分としては、自分の喋り方や行動では26歳の姿と釣り合わない。なにより、凄く居心地悪い。だから、それらしく振舞えるように落浜語を騙る(演じる)。
記憶は基本共有だが、かたりが不要と思ったものは語と共有されない。(愛憎、主の亡くなった日の事)

語よりも、かたりの方が主たちに対する執着が強く、置いて行かれたことも相まって愛憎(9.5:0.5)もある。
おそらく、仮に語がいずれ主関係で区切りをつけたとしても、かたりがつけられるとは限らない。