花のおもて2章@Loki

作成日時: 2021/05/16 20:15:23
【猫ひげ】

あんなに鮮やかなのにね
食べるものがこれしかないんだね
憐れみ含んで笑う

――『私』なら
可哀想って、この花を摘んで救おうとしたかな?
思ってる内に行動に出てたみたい
あはっ、ちおりちゃんまた尻尾膨らんでる
かわいい~冗談だよ
カスミソウは食べられる前に手のひらの中へ

だって渡せないもの、とは口に出さずに
『私』が好きだと云った花
たぶん云っていたのとは少し違う
似ているに過ぎない小さな花
永きを往きても
それっぽっちか数えるぐらいしか『私』を知らないから
か細い繋がりのひとつとして
この花を咲かすのだ

だから虹色の獣は
麻痺した隙を狙って本体ごと【私刑】に処す

ちおりちゃん?
なんだか君が隠れた気がして
そっと顔を覗き込む
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2021/05/16 20:15:23
最終更新日時:
2021/05/16 20:15:23
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