心境の変化

作成日時: 2021/01/11 12:52:15
バス停は『自分を落とした落とし主』を探すことを辞めたわけではないが
本人曰く"それほど重要なことじゃなくなった"という。
(発見に至れたら、文句をぶち撒けてとりあえずぶん殴るだろうけれど)

本体を、"戦闘に正しく使ってもらった"からか、何かを満足したらしい。
使われる方が合っている、と結論を得て
……"生まれてから今まで正しく誰かに使われたことがなかった"歴史を、無事に終えた。
何度でもどこででも使ってくれる方が嬉しいが
バス停なんて奇妙なものが、そう我儘をいうべきではないことも理解が在る。
故に、"一番使い方を正しく使う者"に
勝手な都合を押し付けるマーキング(転送術式)を付けて"本体を召喚武器化"する事で手を打った。


"必要なら喚べばいい"
"アンタの不慮の事故を護れるなら、本望だ"
"武器なんだから、壊れることをはあるだろうけど……アンタが使って死ぬなら後悔はないよ"



勝手なマーキングを施した相手は勝手な客だから、生涯使われる事はないかもしれない。
それでも、バス停は構わなかった。
とても短い人間歴の1年と、とても長いモノ時代を思えば……
遠く遥かな未来でも、"いつかの訪れを"待つ事をそう苦だとも、思えなかったから。


【2020/09/24〜】
本体を転送するマーキングとは少し異なる趣向の
ストラップが作られた。
『喚ばれたら応える』の姿勢はそのままに、ストラップを持つ相手の緊急時には、座標目指してグリモア起動無しで時空を跳ぶ荒業。
己がモノであることを利用して、擬似的に『召喚獣』化する術を編み出したのだとか。
これに至った理由として……何度か言葉をかわしていた"ある客"の旅路には、悪路を進む"足"が必要だとバス停は考えたらしい。
――俺を使って(読んで)くれたら、いいな。
呼ばれなくてもそれはそれで、構わなかった。バス停はバスとして、猫の手を貸せるようにしただけ。"ある客"は一人で事を為せる強気者。それだけのことだ。

【2020/12/24〜】
"本体の召喚武器化"の唯一のマーキングが消えた。
唯一の、心の在り処を――見失った。
じわじわ感じる喪失感は、虚無感に似ていた。
基本情報
更新履歴
情報
作成日時:
2020/08/20 19:01:49
最終更新日時:
2021/06/03 19:16:39
記述種類:
標準

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