フレユール・ゼクスについての設定書き

作成日時: 2024/06/24 21:36:27
見た目
・背は普通
・年齢15(精神年齢9歳)(実年齢■■■歳)

口調
基本はオドオドとした気の弱い少年みたいな。
一人称:僕
二人称:君 〜さん

キレたら(戦闘中とかで昂ったら)
一人称:ボク
二人称:キミ 

ねぇ、名前も知らないそこのキミ! もっと、もっとボクを満たしてよ!(翼ファサー)

分解を司る左半身、融合を司る右半身を持つ。
分解→色の無い色。虚色の翼:ロストカラー(透明or灰色or白)
融合→全ての合色。全色の翼:オールカラー(黒)

フレユール→恐怖を齎す生物兵器としての名前
ゼクス→6番に「製造」された

Furayeur:06

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過去編

とある世界の、とある施設で。
やけに明るい光に手を翳し、たくさんの兄弟と「不自由」という単語を知らずに育った、たった9年の短い月日。
僕はなぜ、ここにいるのか。そんな存在証明など、不要だった。
僕の意思も、誰の意思も、介在しない。影響しない。
やけに機械的な、|理想郷《ユートピア》。そこが、僕の生まれの場所。

「ゼクス」
そこで僕は、そう呼ばれていた。

あとで知ったことだけど、僕たちはそこで“管理”されていたらしい。
何かの目的のために。
それは、世界を救うものだった。
それは、世界を壊すものだった。
二律背反のようで、合理的な一つの理由によって。

ただ一つ言えることとして、その目的は、僕達にひどく冷たかった。
だって、あれだけ優しくしてくれたのに、途中で手を離すから。
だって、何も教えてくれなかったのに、突然に暗闇の中に放り出すから。
だって、「安心していいよ」「大丈夫」という言葉が、嘘だったから。

9歳になった時、僕の体に異変が起きた。
眼が、痛かった。気持ち悪くて、ぐるぐるして、視界の全てが歪んで潰れてバラバラになって、僕の前から消えたんだ。

あの時に消えた兄弟とは、まだ再会できてないんだ。
今となっては、その理由もわかるけど。
|アインス《1》も|ツヴァイ《2》も|ドライ《3》も|フィーア《4》も。
|フュンフ《5》も|ズィーペン《7》も|アハト《8》も|ノイン《9》も。

目を閉じた。
両手で必死に目を塞いだ。
何も見ないように下を向いて蹲った。

それを見た、今まで僕に優しかったおじさんは、今までで一番の笑い声をあげていた。

研究? 兵器? 救済? 破滅?
わからないよ、そんな言葉。だって、教えてくれなかったから。
でも、後になって分かったんだ。
いつも僕にくれたあの笑顔に、理由があったんだってこと。

僕が得た力。それは死と再生の力。
左目で見たものはバラバラに分離して、最後には一面の“虚”が残る。
右目で見たものはぐちゃぐちゃに融合して、最後は全てが混ざり合った“黒”が残る。
その時は、短時間の制御すらもままならなかった。

結果として、この時点では僕は何もできなかった。
これは悲哀でも、諦めでも、自嘲でもなく、結果論。
この力はあまりに危険すぎた。なぜ、彼らがこの力を欲したのかも、わからなかったけれど。

僕は、真実を求めた。
でも、求めれば求めるほどその真実は壊れていった。

最後に、泣きながら、でも優しく僕の瞳を塞いでくれた|ツェーン《10》は──
目の前で、黒になったよ。
それでも、僕にとって、何か他のものとは異なった物だったらしい。
ツェーンが消えたあと、そこには黒くて細長い──包帯のようなものが残された。
不思議なことに、それだけはいくら見ても壊れない。
よくわからなかったから、僕はそれをポケットにしまい込んだ。

そして、僕は疲れて眠ったんだ。

次に目覚めた時、僕は全てを悟った。
今までは、どこかふわふわとして。寝て起きたら、元に戻るだろうと。明日には、また兄弟たちの元気な姿が見れるだろうと。根拠もなく思っていた。
だって、今までがそうだったから。
でも、それも幻想なんだって。

今まで感じた僅かな違和感が、ここに来て急に結びついてくる。
あの笑顔の意味。あの冷たい瞳。兄弟の泣き叫ぶ声。それでも、次の日には元通り。
あの楽しかった日々は、全部、全部、作り物だった。

ただ、感情のままに泣き叫んだ。
ただ、衝動のままに暴れ狂った。
ただ、後悔のままに倒れ伏した。
ただ、自責のままに──命を断とうとした。

──そんなこと、できっこなかったけれど。

僕は、ただ、下を目指して歩き続けた。
下には、地獄があるらしいから。
僕にはそこが、お似合いだと思ったから。
ポケットに有るあの包帯を目につけて、もう崩壊した施設を歩く。

ここからが、僕の。「フレユール・ゼクス」としての命の始まり。
兵器じゃなく、一人の人間としてのね。
基本情報
更新履歴
情報
作成日時:
2024/06/24 21:36:27
最終更新日時:
2024/06/24 21:36:27
記述種類:
標準

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2024/06/24 21:36:27