不義・無二に関する現在までの調査書(2011/11)
天鴉教(てんあきょう)
➡︎石川県付近の離島で信じられていた独自の宗教。
予言の鳥と呼ばれる神を信仰し、有事にこの神を憑依させる人間を現人神として育て崇める。
天鴉教が代々受け継いできた育成法にまつわる古文書によれば、現人神の名前は必ず「不義・無二」という名前を付ける。そのため、チェンパラ時系列の不義は7代目にあたる。
不義・無二と名付けられた子供は来る御迎えの日に向け、数人の世話役の元で一般教養や高校までの勉学と、歌唱の技術を学ぶ。15歳を過ぎると一定間隔で島を出て島外の文化を知り、都度島内へと知識や物品を持ち帰り外の文化を内部に取り入れる。
ここまでの記述から分かる通り、内部に関しては噂をされる程「邪教」という印象はない。
予言の鳥
➡︎北欧神話が回り回って日本に伝わり、最高神オーディンの御使いであるワタリガラスのフギンとムニンが神格化・統合されたもの。
フギンは知恵を、ムニンは記憶を司る。ともにオーディンに属し、日ごと世界中を飛び回っては食事の時刻にヴァルハラに戻り、エインヒャルと宴会の席に着いているオーディンの肩に留まり、彼の耳に見聞きしてきたことを告げる。
現人神が一定期間島外に出、知識や物品を持ち帰り、文化に取り入れるという風習はこれに由来する。
かつてその身を写し取ったとされる古文書には黒と青の頭部を持ち、体全体は黒く、翼が大きく描かれている。
また、隅には「美しき天より尊き喉笛にて、地を這う我らに詩を授ける」とある。
その為、現人神の教育は歌唱の技術と芸術の能力を向上させることを第一としている。
【其身命にて二羽の鴉を宿す。黒き翼にて我等を天へと運び、青き四肢にて我等を赦す】
➡︎ 天鴉教詔伝 てんあきょうみことのりつたえ
の冒頭から抜粋。
予言の鳥を降ろした現人神が、来る御迎えの日(TOKYOエゼキエル戦争)に天から現れ依代に宿り、我らを救済してくれるだろうという意味。
実際に現れたのは予言の鳥ではなく偶然居合わせたデーモン「ライム」。元々天使であった鴉型のデーモン。
天使としての地位を取り返したかったライムは天使軍団との共闘を謀るが、大天使との死闘の末に片翼を失い、ビルの屋上に堕とされる。同じ場所で生死の境を彷徨っていた不義に、肉片を体内に取り込めば双方が生き永らえるだろうと嘯く。
鴉の姿を模したデーモンであった為、予言の鳥は御使いである鴉を自分の元に飛ばされたのだと考えた不義はその身を口にする。
ラップ
➡︎不義が出会った外の文化の中で、特に自身を動かしたのはラップだった。代々伝わる辛気臭く堅苦しい歌より、己の心に響く激しい言葉の羅列に胸を打たれ、持ち帰ったpcとDTMソフトで密かに制作を続けていた。
完成した曲を動画投稿サイトにてコンスタントに発表し続け、謎の高校生ラッパーIdola Crowとして話題になっていた。
(その活動は世話役達にはバレていたようだが、芸術活動の一環として見做され特に言及されることはなかった)
2013年当時、高校生ラップ選手権が都内で定期的に行われていた。不義は満を辞してこの選手権の決勝戦に出場する予定だった。
が、最終ラウンドが大型量販店の屋上で行われようとしていた直後にエゼキエル戦争が勃発。都内は壊滅、会場は爆風に呑まれた。不義はその際に戦闘に巻き込まれ、瀕死状態になる。
記憶
➡︎自分が神として育てられたこと、離島で生まれたことなどの生い立ちの記憶がごっそり消えた。
大切に育てられたという記憶は朧げながらにあり、家族や故郷の人々は全て刻逆に飲み込まれて消えてしまったことに怒りを抱いている。(※ラッパーの故郷へのリスペクト精神の現れ)
戦争に巻き込まれデーモンを食ったこと、Idola Crowというそこそこ名の知れたラッパーだったことや音楽の才能があったことなどは記憶している。
デーモン「ライム」
➡︎鴉型のデーモン。ラップ用語のライムとかかっている。
ラップ用語としてのライムについて:
ラップの歌詞を“lyric(リリック)”と呼び、“rhyme(ライム)”はリリックで韻を踏むこと。
BGM
♪爆撃機/(sic)boy,KM
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