バレーナの本

作成日時: 2019/05/06 18:47:12
■エリシャ(f02565)と。

綺麗に舞う銀色の蝶々、
それを見て童女のように微笑むエリシャ。
彼女が呼び寄せ、折りこんだ桜色の蝶々。
嗚呼、こんなに美しい光景を見て、わたしの心に澱む痛みは何?

心配そうに尋ねるエリシャにわたしは、
「いいえ、そんなことはない、だってエリシャの好きなものじゃない?」
繕うわたしの本心は……あの光を瞬かす白銀色、あれがオブリビオンの疑似餌、
その事実を抜きにしても、エリシャの目には……。

(影に溶ける暗殺者を忍ばせ、この疑似餌の主がエリシャを襲うのなら、いつでも刃をオブリビオンに突き立てられるように)

(愛されているのに、なぜこうも心が乱れるの?わからなくなる、息の仕方さえも)