【仮プレ】外宇宙への出航~See You Again

作成日時: 2020/05/07 00:59:48
逢真とミコ


「ふーむ、万毒の群生地とは実に素晴らしい響きです。」
 樹木化の毒が蔓延する丘をぽよよんと黒い饅頭が跳ね回る。黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)だ。
 『黄衣の王』崇め、竜種を蒐集し糧とする事を趣味とするミコだが、蒐集対象は何も竜種だけとは限らない。
 未知なる毒も彼女にとっては立派な蒐集対象だ。今もまるで熊の様な立派な樹木に取りつくと、樹木に生えたキノコを捕食する事により樹木化の毒を取り込んでゆく。
「むぐむぐ……意外と美味しいですね。……少し身体が擽ったいです。」
 浴びた者を別の存在に変質させる様な毒を大量に取込むなんて正気の沙汰ではない。だが、人を狂気に導く神を崇める彼女が正気なわけがない。
 加えて言えば毒の影響も気合とドーピングで強化した毒耐性で最低限に留めていた。
 そして、ミコは少しずつ樹木化の毒を自身の物へと変えてゆきながら丘の攻略を勧めてゆく。

「胞子っつっても《毒》は《毒》。問題なく『食える』。」
 そんなミコの後を平然と追うのは朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)だ。病毒に戯ぶ神である逢真にとって毒に満ち溢れ丘はただの丘となんら変わりはない。
 仮に胞子が体に付着しても胞子に含まれる毒は逢真の糧にしかならないのだ。故に逢真は毒に満ちた丘をミコと共に散歩するかのように歩き回る。
「さて、そろそろ仕事に取り掛かりたいがどうしたものかな。」
 逢真は徐に空を見上げればそこには黄褐色の霧の様な物体が漂っていた。勿論、それは霧などではない。
 それは蜜蝋の鎧で身を包んだ蜜蜂竜アピスドラゴンと蜜蜂竜娘パックであった。

「ねぇ、アピスくん。あれってなんなんだろう?」
「■■■■■……。」
 パック達は地上の猟兵達をドン引きしながら見守っている。なんせ、この丘は対策なしなら自分達でも瞬く間に樹木になってしまう危険地帯だ。
 なのに眼下の存在は毒に満ちた丘の中を平然と動きまわっている上に黒い饅頭に至っては危険なキノコを片っ端から貪っている。
 明らかに丘の環境に適応して存在でありそんな相手と戦えば苦戦は確実だ。それ故にパック達は集結しながらも対象を安全な高空から監視する程度に留めていた。

「明らかに俺達を警戒しているな。」
「うーむ、このままでは何時までたっても本命にありつけないです。」
 ミコと逢真は何時まで経っても襲い掛かって来ない蜜蜂竜達に顔を顰め、弾力の良い体を波打たせた。
 元よりパック達の討伐や蒐集が目的である二人にとって今の状況は好ましいものではない。下手するとこのまま監視されるだけで終わりかねないからだ。

「ねぇねぇ、試したい事があるから協力いただけますでしょうか?」
 このままではいけないと考えたミコは逢真の元に跳ね寄ると分かれ道で二手に分かれて行動する事を提案するのであった。


「あっ! じゅもくかがはじまったよ!」
「ほんとうだ! やっぱりあんなにキノコをたべてだいじょぶなわけがないよね!」
 ミコと逢真が二手に分かれて暫くしてキノコを貪っていたミコの体に異変が起きる。突然のた打ち回ったかと思えばミコは瞬く間に丸っこい樹木となり地に根を張ったのだ。
 パック達はそんなミコの変化に安堵するとアピスドラゴン達に待機させながら樹液を採取する為に意気揚々と近づいてゆく。だが、それは何時まで経っても襲い掛かって来ないパック達をおびき寄せる為の策であった。
 表面上は完全に樹木化した上で地に根を張り霊脈から生命力を吸収している。だが、その内部は依然として弾力のあるスライムのままだったのだ。

『いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第玖の竜よ!』
「えぇ!? まだじゅもくかしてなかったの?! いったんにげないと……きゃあ!?」
 パック達が毒の影響圏内に突入する直前で樹木の中からくぐもった声が響き渡る。パック達は黒い饅頭が完全に樹木化していなかった事に驚き、慌てて退避しようとするがそれは出来なかった。
 何故なら既にパック達の周囲を屠竜の魔女であるミコの魔力が取り囲んでいたからだ。魔力は蜜蝋の鎧に取りつくと関節の動きを阻害しパック達を毒の蔓延する大地へと堕としてゆく。
 更に魔力は鎧の隙間から内部へと潜り込んでゆき、胞子を吸わない様に必死に息を止めるパックの体を擽り始めた。

「あははははははっ! た、たしゅけて……あはははは……アピス……く……ん。」
 結果としてパック達は次々と笑い転げながら動きを止めてゆく。そんな片割れの様子に上空で待機していたアピスドラゴン達も慌てて急降下を始めた。
 だが、パック娘を助けに行くという事はミコの魔力の中へと飛び込む事も意味している。普段のアピスドラゴンであれば魔力による拘束を振り切りパックを助ける事も出来たかもしれない。
 しかし、今の重く動きづらい蜜用の鎧に身を包んだアピスドラゴンでは魔力による拘束から逃れる事が出来なかった。こうしてアピスドラゴン達も次々と地に堕ちて雪、毒の餌食になるのであった。

「さぁ~て、そろそろでしょうか? ……立派な樹木になってますね。」
 暫くして丸っこい樹木の隙間から外へと滲み出て来たミコは動きを止めた蜜蜂竜へと近づくと樹木と化した蜜蝋の鎧を剥がし始めた。
 程なくして蜜蝋の鎧が全て剥がれらば中から樹木となり地に根を張る蜜蜂竜が姿を現した。魔力を使い器用に樹木化した蜜蜂竜達を傷つければ、傷跡から樹液が滲み出してくる。
「んぅ~♪ 甘くて美味しいです。」
 ミコがパック達の血液が変じた樹液を舐めてみればそれは蜂蜜の様に濃厚な甘さであった。こうしてミコは蜜蜂竜であった樹木から滴る樹液を啜り始めるのであった。


「加護も大分強化されてきたようだな。いい加減こちらか仕掛けても良さそうだ。」
 ミコと別れた逢真は相変わらずパック達に監視され続けていた。
 ミコと違い逢真に敢えて樹木化して相手を欺く事は出来ない。代わりに逢真は上空で監視するパック達を地に引き摺り降ろす為の為の準備を整えていた。
「よし、お前達あれを地に堕としてこい。」
 神としての権能を解放した逢真が点を指差し命令を下せば、何処からともなく鳥と蟲が湧き出してくる。これこそが逢真の神としての権能の1つである眷族の創造であった。

「あわわわわ! なんかとんできたよっ!?」
「やだ、すきまにはいらないでよ! アピスくん、たすけてぇ!」
「■■■■■!!?」
 逢真に造り出された眷族達は次々とパック達へと殺到してゆき、パック達は大混乱に陥れる。
 小さな羽虫が次々と鎧の隙間に潜り込み関節の動きを阻害してゆき、鳥が体に纏わりつく重量を挙げてゆく。
 途中、アピスドラゴンが鳥や虫を叩き落としても新たな蟲と鳥が逢真によって創り出され纏わりついてゆく。
 そして、次々と纏わりついてくる鳥を支えきれなくなったパック達は次々と墜落していった。

(うぅ、じめんにおとされちゃった……。はやくそらににげないと!)
 大地に墜落したパック達は空へ逃れる為に息を止めながらも必死にもがいた。だが、そんな彼女達に追い打ちを掛けるかのように鼠の眷属が殺到する。
 鼠の眷属は蜜蝋の鎧に取りつくと鋭い前歯で齧り始めた。逢真による籠の与えられた鼠達は鋼鉄並みの強度を誇る蜜蝋を少しずつ削り取っていく。
 そして、パック達が眷族を振り払おうと激しく動く事による負荷が蜜蝋の鎧に致命的な損傷を齎した。

 バキン!

「あぁ!? よろいがこわれちゃった! このままじゃわたし……じゅもく……に……。」
 鼠に削り取られた鎧が激しい動きに耐え切れずに破損したのだ。そして、変化は劇的であった。
 パック達の体が鎧が壊れ露出した箇所から一気に樹皮の様に硬質化してゆき、瞬く間に地に根を張る樹木となったのだ。
 そして、鼠達が樹木に齧りつき傷をつければそこから樹液が滲み出してゆく。

「ホラ。これでてめぇらが樹液を出す側さ。因果応報ってやつだねえ。」
 こうしてパック達が全て樹木になるのを見届けた逢真はパックであった樹木から樹液を啜る眷族達に背を向けてグリモアベースへと帰還するのであった。


テフラ

「敵も味方も油断すれば樹に変えられてしまうのですね……。」
 胞子の漂う森の中、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は気を引き締める。
 普段から石像や蝋人形等にされてしまう事に喜んでしまう被虐嗜好の持ち主だが、流石に敵と戦う前にやられるわけには行かないのだ。
 だが、そんな彼の決意とは裏腹にキノコの胞子は早速テフラの四肢を樹皮に変えつつあった。

「って、言っている傍から樹木化してきています!? な、なんとかしないと……『にゃ~ん♪』」
 自身の四肢が樹皮の様になっている事に気が付いたテフラは慌てて可愛いポーズと共に【癒しの鳴き声】を発動させる。
 すると樹皮と化した皮膚が少しだけ元に戻った。この事実にテフラは顔を鹿ませた。
「まずいです。このままだと何れ樹木化してしまいます。」
 癒しの鳴き声だけでは樹木化を抑えきれない以上、テフラに残された道は短期決戦以外になかった。


「みんなー! りょーへいをみつけたよー!」
「なんでうさぎなのににゃーにゃーないてるのかな?」
 体の樹木化が進行する度に猫の鳴きまねをしていた為か鳴き声に惹かれてパック達が集まってきた。しかし、テフラは樹木化の進行を抑えるのに必死で蜜蜂竜達の接近に気がつかない。
 そして、パック達は眼下の獲物が既に樹木化してきている事に気が付いた。相手が既に樹木化しかけているのならば、パック達の取るべき戦法は持久戦だ。

「みんな! あのりょーへいをみつろうでかためるよ!」
「「「おー!」」」
 パック達は新たに分泌した蜜蝋を丸めて蜜蝋玉を作り上げると次々とテフラに向けて投げつけ始めた。突如として頭上から降り注いできた蜜蝋玉をテフラは避けきれず、あっという間に下半身を固められてしまった。

「『にゃ~ん♪』それにしても、パック達は何処に……? あわわ!? 蜜蝋が身体に! ……あれ、下半身しか固めてない?」
 嘗て蜜蜂竜と戦った事のあるテフラはパック達が全身を蜜蝋で固めてこない事に疑問を抱く。
 そして、近づいて来たパック達が何かをストロー状の針を片手に何かを待ちわびている様子を見てパック達の目的が樹木化した自身である可能性に行きつく。

「もしかして樹木化のために手加減をしているとすれば……? これはチャンスです!」
 身動きが取れなくなった今のテフラが完全に樹木化するのも時間の問題だろう。だが、パック達もこちらがまともに抵抗できないとみて完全に油断している。
 そこでテフラは最後の賭けに出る事にした。テフラは下半身を固めてからも続けていた続けていた猫の鳴き真似を一旦取りやめた。
 すると鳴きまねによって抑えられていた樹木化が一気に進行を始める。程なくしてテフラは全身が樹皮に包まれてしまった。
 パック達は全身が樹皮に包まれた事を確認するとテフラへと近づいていく。この時テフラが小声で猫の鳴きまねを続けており、内部までの樹木化を防いでいる事にパック達は気づいてはいなかった。

「もーすぐじゅえきをさいしゅできるね! どんなあじがするのかな?」
「……今です! 『にゃ~ん♪』」
 パック達を限界まで引きつけたテフラは全力の鳴きまねを披露して全身に及んだ樹皮と下半身を固める蜜蝋を一気に剥がしてゆく。
 そして、突然の復帰を遂げたテフラに慌てふためくパック達が立ち直る前に石化ポーションを投げつけながら魔法少女の杖で殴り掛かった。
 石化ポーションの中身がパック達に降りかかり鋼鉄の如く堅牢な蜜蝋の鎧を脆い石の鎧へと変えてゆく。そして、テフラの振りかざした魔法少女の杖が石の鎧を一気に打ち砕いた。

「わぁ!? わたしたちのよろいがくだかれちゃったよ!」
「そんなことよりもはやくにげないとわたしたちもじゅもくになっちゃう!」
「逃がしませんよ! こうなったらあなた達も道連れです!」
 鎧が砕かれた為に慌てて上空へ逃げようとするパック達の脚をテフラは思い切り握った。
 未だに羽根の蜜蝋が剥がれていないパック達ではテフラを支える事が出来ず、テフラと共に目に見える程に胞子の蔓延する領域へと落ちていった。

「うぅ……わたしも樹木に変えられてしまいますが……あとは他の猟兵達に……任せ……。」
 こうしてテフラは2体のパックを道連れに歪な人型が繫がった不気味な樹木へと成り果てるのであった。


リアン

「予想以上に数が多いですね……。」
 リアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)は胞子対策として準備してきた厚手の生地で出来たピッチリスーツを見下ろしながら呟く。
 【魅了変化】によって得た厚手の生地の服は情報通りに胞子による浸食からリアン身体を守ってくれている。だが、そのピッチリスーツ自体が少しずつ樹皮の様な硬質化を始めていた。
 このまま放置しておけばスーツ全体が樹皮化して動けなくなってしまうかもしれない。この時点でリアンは長期戦は無理であると悟った。

「これは一気に決着をつけた方が良さそうです。敵の数が多いですけど……それなら数で対抗します。」
 リアンは【魔物幽霊娘軍団召還】により300体を超える自身に酷似した魔物娘を呼び出すと、突如として現れた軍勢に惹かれて集まってきたパック達の攻撃をお願いする。
 そして、リアンも【オルタナティブダブル】により相棒のファムを呼び出すとパック達との戦いに臨んだ。
 この時リアンはこの時大きな過ちを犯していた。1つは体は胞子から守る策は確りと講じていたが、胞子を吸わないようにする為の策を忘れていた事、もう一つは短期決戦の為に数を揃え過ぎた事だ。
 そして、リアンの過ちの代償を直に支払う事になった。


「わーい! じゅえきとりほうだいだよ!」
 リアンとファムは目の前の光景に唖然とする。数分も経たない内に300体近くいた魔物娘とラミアが全て樹木になってしまったのだ。
 こうなってしまった原因はあまりにも呼び出された魔物娘の数が多かった為に胞子の少ない安全な場所に入れず、早々に樹木化してしまったのだ。
 安全な地帯に入れた魔物娘にしても魔法により幾分かのパックを打ち落とす事に成功したが、300体近い魔物娘に対抗する為に集まったパック達による蜜蝋玉の集中砲火の前に成す術もなく行動不能に陥り樹木へと成り果てた。
 樹木に成り果てた魔物娘達は一様に股間部や胸先など恥ずかしい場所に針を刺されて樹液を収穫されてゆく。
 そして、魔物娘達が全滅すれば次に狙われるのはリアンとファムだ。

「あー! こんな所にもじゅもくのもとがいるよ!」
「ほんとうだ! みんな、ハチだんごさくせんでうごきをふうじるよ!」
 リアンとファムはあっと言う間にパック達に囲まれると押し競饅頭の中心になってしまう。灼熱の押し競饅頭の前にリアンとファムは汗だくになり、同時にパック達の身に着けていた蜜蝋の鎧が押し競饅頭の高熱で溶けてゆく。

「そろそろやめないとわたしたちもあぶないよ!」
 暫くして蜜蝋が壊れかけている事に気が付いたパック達が慌てて押し競饅頭を中止する。それに伴いリアンとファムが押し競饅頭から解放されてゆく。
 しかし、リアンとファムは灼熱の押し競饅頭に晒された事による消耗と灼熱により溶けた蜜蝋に塗れてまともに動く事が出来ない。

「も、もうだめです……。」
「うぅ……。」
 そして、行動不能に陥ったリアンとファムが風に乗って漂ってきた胞子に包まれてしまう。ここで胞子を吸わないような策を講じていれば多少は耐えられてしれない。
 だが、そのような策を準備していなかった二人は胞子を吸い込む事になり魔物娘達と同様に樹木となった。
 そして、リアンは股間部にファムはお尻に針を挿し込まれ樹液を垂れ流す羽目になる。

「じゅもくになったかな? それじゃあいただきまーす!」
「ん~♪ みためはそっくりなのにぜんぜんあじがちがっておもしろーい!」
 こうして、パック達の支配する区域に似たような容姿と恥ずかしい場所から樹液を垂れ流す領域が出来上がるのであった。
基本情報
更新履歴
情報
作成日時:
2020/02/21 22:14:33
最終更新日時:
2024/06/13 01:01:19
記述種類:
標準

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