朝槻玲瓏 設定

作成日時: 2025/10/26 00:48:48
名前:朝槻玲瓏
家族構成:義父、義母、師匠(義兄)
趣味:読書、料理、煙管収集
特技:暗殺、演技、情報収集、精神分析、隠密行動
好き:本、煙管、洋酒、紅茶、静かな場所
嫌い:理不尽、裏切り、奴隷制度
苦手:賑やかな場所、注目を集めること
怖い:大切な人を失うこと、エリーズを守れないこと
最近の悩み:エリーズとの関係性を聞かれること
欠落:平穏
Anker:エリーズ・シャティヨン

性格:
基本的には物腰柔らかで温厚な性格であり、どんな時でも冷静で非常に落ち着いている。常に笑顔を絶やさず、ほとんど表情を崩さない。本来の感情や表情を隠したり、表に出さないようにコントロールすることに長けており、本心を表に出すことに抵抗がある。そのため、何を考えているか分からないと言われることが多い。家事から戦闘まで大体のことはそつなくこなすが、それは天才肌の賜物ではなく、ほとんどは過去に死に物狂いで習得したものである。才能がないという訳ではないが、努力と経験に裏打ちされた実力者である。
訓練の一環として毒物を摂取させられていた時期があり、毒物に耐性がある。その頃のトラウマからか、他者から出された食べ物に関する警戒心が抜けていない。そのせいか外で食事をすることが少なく、自分で料理することが多い。また、毒物に関する知識が豊富で、識別方法や対処方法、解毒薬の作り方なども知っている。警戒心が強い。どこでも眠ることはできるが、基本的には寝つきが悪く、眠りも浅い。寝起きはよく、起きた直後でもすぐに動くことができる。交渉事や腹の探り合いが得意。頭の回転が早く、常に先のことを考えて行動している。経験と知識のおかげか、勘も鋭い。

背景:
生まれてすぐにとある裕福な家庭に預けられ、老夫婦の元で彼らの子どもとして育てられた。その夫婦には子どもがおらず、預けられた彼のことを実の子どものように大切に育てた。その貴族は心優しく思慮深い地主として、同じ土地に暮らす民たちからも慕われていたため、夫婦の子どもになった彼は周囲の人々からも可愛がられていた。夫婦と血は繋がっていなかったものの、彼はたくさんの愛情を貰い、幸せな生活を送っていた。

だが、そんな幸せな日々は、ある日突然終わりを迎えた。老夫婦の持つ土地を狙っていた者の策略に嵌められ、老夫婦は謂れのない罪を着せられて投獄された。幼い彼は捕まることはなかったものの、帰る場所を失い、治安の悪いスラム街での生活を余儀なくされた。だが、まだ幼く温かな家庭で育った彼がそんな環境で生きていくことは難しく、すぐに悪い大人に捕まってしまった。彼を捕まえたのは違法な人身売買を行う組織であり、彼は奴隷という名目で商品として扱われることとなった。

人身売買組織に捕まって半年が過ぎた頃、彼はとある組織に買われることになる。それは裏社会でその地域一帯を仕切るマフィアのような組織だった。奴隷として買われた彼は、その組織で暗殺者として育てられることになった。そうして、奴隷として酷い扱いを受けながら、暗殺者として過酷な訓練を強いられる生活が始まった。成果を上げなければ満足に食事も与えられず、ぼろきれのような布にくるまって冷たい床の上で眠らなければならなかった。
そんな過酷な環境下でも、彼には師であり兄のような存在がいた。その人は彼よりも先に組織に買われた奴隷で、訓練を経て暗殺者として仕事をしている青年だった。過酷な環境にも関わらず、その青年はいつも仲間たちを励まし、守ろうとする強く優しい青年だった。彼は青年から様々なことを教わり、暗殺者として実力だけではなく、裏社会で生きる術を身に付けていった。青年のおかげか、彼は早い段階で実力を認められ、正式に暗殺者として仕事することになった。一人前として認められた祝いとして、彼は青年から「朝槻玲瓏」という名前を貰った。

玲瓏が暗殺者として仕事を始めて間もない頃、慕っていた青年が何者かに襲撃され、命を落とした。いつしか心の支えとなっていた青年を失った玲瓏は、その事実が受け入れられず、仕事をこなしつつも青年を殺害した犯人について調査し始めた。だが、青年の死について、有力な情報は得られなかった。進展のない調査に苛立ちと焦りを感じ始めた頃に、彼は死霊からとある話を聞いた。それは、玲瓏や青年が所属している組織のボスが、一部の部下に命じて青年を殺害したというものだった。ボスは暗殺者として実力を発揮していた青年を目障りに思っていたらしく、気に入らないからという身勝手な理由だけで彼を殺害したのだ。それを知ったその日から、玲瓏の目標は青年を殺害したボスへの復讐へと変わった。

それから彼は一層鍛錬に励み、血の滲むような努力を重ねて知識や実力を身に付けていった。暗殺者として次々と成果を上げる彼は、幹部やボスに一目置かれる存在となっていた。以前のように酷い扱いを受けることはなくなり、望めばある程度のものは与えられた。だが、彼が内に抱えた怒りは大きくなる一方だった。奴隷の扱いはさらに酷くなり、ボスや幹部が権力や武力を振りかざして、罪のない人々から財産を奪ったり、暴行を加えることも増え始めた。ボスへの復讐はいつの間にか、組織に対する反逆へと姿を変えた。

玲瓏はいつしか、組織内で右に出る者はいないほどの実力者となり、ボスからの厚い信頼を得て、右腕と呼ばれるまでに上り詰めた。ボスや幹部が自分を完全に信頼し、警戒心が薄くなったところで、彼は何年も前から立てていた計画を実行に移した。それはありとあらゆる手段を使って、一人で組織を壊滅させるための緻密な計画だった。玲瓏は計画を実行に移し、卑怯な手段も辞さず、組織の人間を次々と殺害していった。ボスと対峙した時には激しい戦闘となり、玲瓏は大怪我を負いつつもボスの殺害に成功した。最終的に組織の八割の人間が命を落とし、組織は壊滅に追い込まれた。

最終的に、彼はボスや幹部に不満を抱いていた一部のメンバーと、奴隷として虐げられていた仲間たちを率いて、新たな組織を立ち上げた。組織の脱退を申し出た者に対しては、資金や身分などを用意した上で送り出した。新組織でボスとなった玲瓏は、裏社会での勢力を広げていった。その一方で、いつ命を落とすか分からないと考え、もし自分がいなくなってもいいように、仲間たちに裏社会で生き残る術を教えていた。

新組織を立ち上げた後も、玲瓏自身は暗殺者として活動しており、いつしかどんな依頼も必ず成し遂げる凄腕の殺し屋と呼ばれるようになった。彼は「道理の通らない、納得できないような理不尽な依頼は実行しない」という信念に基づいて仕事をしている。彼は依頼を必ず引き受けるが、殺害対象を殺すかどうかは自分の信念に基づいて判断している。依頼を引き受けた際に必ず依頼主と殺害対象について調査を行い、自分の信念に反すると判断した場合は殺害を実行せずに、殺害対象に事情を話して死を偽装して逃がしたり、組織内で保護したりしていた。

そんなある時、ある人物から聖女の殺害依頼を引き受けることになる。依頼を引き受けた後、彼は依頼主や聖女について調査を始めた。調査を進めていく中で、依頼主が秘密裏に教会の司教に金で雇われていること、膨らんでいる民の不満を他に向けるため、不要になった聖女を暗殺者に殺害させ、暗殺した者を聖女殺しとして処刑するという計画を立てていることを知る。また、聖女が教会に利用されて生贄として捧げられ、神殿で長い間眠っていたこと、それにも関わらず教会の身勝手な都合で殺害されそうになっていることを知る。そんな目に遭っている彼女と自分の過去を重ねた彼は、彼女を暗殺するのではなく、救出することを決めた。

彼女を助け出すと決めた時点で教会の追っ手が来ることを予測していた彼は、新組織の部下や仲間たちにまで被害が及ぶことを危惧していた。そのため、神殿に侵入する前に仲間に連絡し、ボスの座を降りること、組織には戻らないことを伝えている。

神殿への侵入を果たした彼は、祭壇のある大広間で目を覚ました聖女、エリーズ・シャティヨンに事情を話し、ここから逃げることを提案する。エリーズは彼が自分は暗殺者だと伝えても驚くことはなく、彼の提案に対して逃げても意味はないし、被害を増やすくらいなら自分はここで死ぬべきだと返す。彼女の感情を失い、全てを諦めてしまったような態度に内心驚きつつも、彼女と会話を続け、彼女が無意識に押し殺していた「生きたい」という願いを引き出した彼は、彼女の願いに応えて神殿から連れ出した。教会の追っ手を振り払い、無事に逃げ出すことに成功した玲瓏は、教会に命を狙われ続ける彼女を連れて、世界中を逃げ回る旅を始めた。

Ankerとの関係性:
エリーズに対する感情は、家族に対する親愛や庇護に近いもの。過酷な境遇おかれ感情を失った彼女には今までできなかったことをしてほしいと考えており、自分が与えられるものは全て与えている。基本的にエリーズを甘やかしており、かなり過保護な一面も見られる。玲瓏がエリーズに向ける優しさや愛情は、かつて自分が貰った優しさや愛情をそのまま反映したものであり、彼の中にはかつて貰った愛情が今でも根付いている。
追っ手との戦闘の際も、エリーズに戦闘を見せないようできる限り配慮しており、やむを得ない場合以外は彼女に見えないところで追っ手の相手をしている。戦闘時もなるべく返り血が付かないよう気を付けていたり、硝煙の臭いが付く銃器は使用しないよう心掛けていたりと、血なまぐさい場面を彼女に悟らせないよう徹底している。
現時点では、玲瓏はエリーズに対して恋愛感情はない。


その他:
どんな状況でも対処できるように訓練されたため、多少の優劣はあれどひと通り武器は使いこなせる。また、武器がなくとも対処できるよう、体術の心得も持ち合わせている。本人も区別はついておらず、様々な分野が混ざった独特の戦闘スタイルをとる。愛用している武器は取り回しの良い仕込み刀だが、最近は返り血を浴びない武器に切り替えている。

過去の経験から、理不尽な目に遭う人を放っておくことができない。あの頃の自分を助け出してくれる大人はいなかったため、自分はそういった人を助けられる存在でありたいと考えている。そういった人たちを見捨てることは、過去の自分を見捨てることであると考えている。そのため、昔の自分を救う意味でも理不尽な目に遭う人を助けている。だが、この信念が自己満足の偽善で独善でしかないことを理解しており、人殺しの自分が善人になれる訳がないと考えている。それでも、偽善でも独善でもいいから、助けられる範囲は助けると決めている。

彼が部下や仲間に接する時の態度は、自分の師である青年の態度を模倣している部分がある。それは青年が彼にとって理想的な師であり、自分もそのように仲間や部下に接したいと考えているからである。そのため、時に厳しく、時に優しく、相手に誠意と敬意を払って接している。そのため、組織を抜けた今でも部下や仲間たちに慕われている。