仮案帳-宵-

作成日時: 2019/12/11 17:08:17
【荒屋-弍】
気付けば共に在った姿は減り類さんと二人
…分断されてしまったみたいですね
一度深く深呼吸
見せられる記憶は分かりきっている

すみません類さん
また、迷惑かけるかも
以前共に赴いた依頼でも記憶に囚われ
彼が助けてくれた
次は負けぬ様

障子戸に影が浮かぶ
見つめる彼の視線は何処か遠い

類さん
呼び掛け伸ばした手は朧に攫われぬ様にと腕掴む
己の痛みも、又

炎に飲み込まれる村
逃げ惑う人々
そして彼女の、

『逃げて!くろ!』

冷たい汗が頬伝う
息が上がり拳を強く握れば喰い込む爪
痛みは消えず

大きな音に驚きびくり
上げた視線の先には彼が居る

─ああ、大丈夫だと
強張っていた身体が解れる心地

行きましょうか、二人の所へ
…額、大丈夫ですか?