仮案帳-宵-

作成日時: 2019/12/11 02:03:52
【荒屋-弐】
いつの間にか共に在った姿は減り類さんと二人
…分断、されてしまったみたいですね
一度深く、深呼吸
見せられる記憶は分かりきっている

すみません類さん
また、迷惑をかけるかも
以前共に赴いた依頼でも記憶に囚われ
彼が助けてくれた
次は負けぬ様に

障子戸に影が浮かぶ
見つめる類さんの視線は何処か遠い

類さん
呼び掛け伸ばした手は朧に攫われぬ様にと腕掴む
己の痛みも、また

炎に飲み込まれる家屋
逃げ惑う人々
そして彼女の─

『逃げて!くろ!』

冷たい汗が頬伝う
息が上がり拳を強く握れば喰い込む爪
分かっていても痛みは消えず
けれど上げた視線の先には彼が居る

─ああ、大丈夫だと
強張っていた身体が解れる心地

…行きましょうか、二人の所へ