挿話

作成日時: 2019/12/27 23:04:10
花世/f11024と

煌めく天蓋の下、夜気に悴むのなら
注ぎ満たすのは甘いココア
ながい夜を渡るお供にしましょ
仄か灯りの傍ら星へと辿るまで

深々とした夜の裡では
あなたの髪の流れるたびに
星のさざめく音のするみたい
弾く光が同じように滑るよで
散る色をあなたの向こうに追っている
それらがあんまり遠いから
届かぬ距離を埋めるよに傍の花世に手を伸べる
触れる温度に、綻ぶならば

そしたら僕ら、おんなじ温度だ

そっと重ねた熱が滲む中、星の流れる夜に
花世は何を願うかしら
またひとつ零れる光を映したならば瞬いて
滲む言葉の代わりに微笑えば、胸の裡に灯るよう

煌めく星が流れてひとつ
夜の水面に落ちた音がする
それはまるで夜天に灯す標のような