挿話

作成日時: 2020/01/03 20:22:39
【銀花】

景色に白い紗をかけたよで
木々まで細工のよな銀世界
音も跡も残るのだから
くるり行って戻れば楽し気に

雪の日だけの遊び、ね
同意と一緒に小さく跳ねて
ニコリネも遊びましょうと手をとって
合図にぐ、と拳握ったらやる気の姿勢

青い空に白い珠が飛んだなら
煌めく眩しさに胸のすくよう
――わ、
花世は投げるのお上手ねえ
なんて感心してる間にもころり
転がるようにかけて枝葉の雪掬い
反撃すべくまんまるの玉を

ふふ、きっとよくよく飛ぶよう
得意顔の間にも鮮やかな送球
同じに目を丸くして瞬きながら
僕は綾の仇を、とるべきかしら

行き交えば互いに白い花飾る格好になるのだから
すこし可笑しくて、楽し気に咲う声に
気付けば一緒に笑う心地はあたたかな