挿話

作成日時: 2019/12/20 21:55:10
花世/f11024と

瞬き応じるように羽搏く子らは
触れたら壊れて、しまいそう

星繋ぐよな軌跡を辿って
視線の先にはあなたの灯
零れる呟きに優しい子だと微笑って
そうね、春爛漫の天の下を游ぶ様は
きっと一等、美しかろな

瞬き一つと吐息を零し花の嵐に酔いましょう
僕も硝皚より差し出す掌返して招きましょう
さいごに視る夢ほど、甘いもの
舞い散った光と星が歌うなら
まるで地面さえ忘れたようで
残るのは耳に痛いほどの静寂にちいさな光
まだ醒めぬような心地でただあなたの手だけ離さずに

さいごに見る夢たちはあの子らを
春へと連れ去ってくれたかしら
ねえ、ほら、と指さす先には北天の標
願いの星に、届くかしら