挿話

作成日時: 2019/12/07 19:13:41
⛩【藤溟海】
おや、ま、ほんと、可愛らし
ひょいと後ろから顔出して
覗けば賑やかに囀る白い烏

当たるかしら当たらぬかしら
僕の行く先も、示せるかしら

翼の過るを見送って僕の呼ぶのは銀の泡
瀲靜でもって舞う羽毛を鎮めましょうな
水面に黄昏映したならば
天地も知れぬ淡いを鳥たちがゆくでしょう
あら、あら、せんせい、あの子らとお話できて?
ともに紡ぐお話ならばきっと夢中で飽きないねえ
白黒ゆくのに獣が駆ける、やあ、絵本の挿絵の様
頁を繰ったら先へと、行きましょう

下りる帳に括る言葉は
吉と出るか凶と出るか
ね、なんと書いてあるかしら
どちらとて心躍るなら楽しいのだと
覗くのは掌の内