挿話

作成日時: 2019/09/24 20:06:42
【藤溟海】
藍の浴衣の裾翻し
勝負事にもかみさまがいらっしゃるのなあ
僕の知ってるかみさまは、今はひとり、きりだから
こんなに賑やかで、たくさんでも迷子にならないねえ

せんせは輪投げのお話も書くの?
お祭りの話も書いてくださる
ユーチャリスはきちんと人込み
泳げるかしらと手招き微笑う
どれもこれも楽しげだけれど
とーじろさんが見立てたならば
千から一を探しましょうな
あらあら、勝負なのだもの
勝てば嬉しいものだよう
どれにしようかなと指さして
今宵ばかりはかみさまのいうとおりでなしに
望みに至るかしらと紐の先が落ちるまでを楽しみに

不意にのぼる熱が誘うまま
ねえ次はあちらにしましょ
そうな一人では迷いも勝ち負けもできないものね