挿話

作成日時: 2019/03/02 20:37:04
花世/f11024と

何の為の、戦であったか、
お忘れなんなら仕様のないね

そうな、きっと、此処でおしまい
高見の見物など引き摺り下ろしてさしあげような
かわせば視線もふと、綻んで
けれどあっという間に遠のく背に
ぱちり、瞬いて――仕方のない方
桜のようとはあらないでねぇ
露払いといきましょう
青い火招いて起こる刀を、軌道を焼いて
きっとその足を止めやしない

ちりりとあなたの花弁が踊るのを合図に
やあ、花世がこの路を、拓いてくれた
遮るものさえ、ないのなら
真直ぐ、手伸べて赫辜で穿とう

散る花弁に折れたあの子らの、
無念がきっと、お前を喰らうよ