挿話

作成日時: 2019/11/29 21:04:20
【藤溟海】
夜汽車の旅に浮足立つ心地
流れる世界を眺める旅景色
紅葉に桜が入り混じるのも眠る夜に共にゆくのも
瞬く合間に流れてゆくから夢のようねと窓に手掛けて

そしたらとーじろさんが探偵役
せんせが記録役兼助手かしらな
僕の番になる前に解決なさって
文字に綴った旅景色もきっとたいそう美しかろな
推理物に仕立てて、お二人の解決するのも格好良いよう
物語に夢馳せてお声にまた窓を見遣れば感嘆の息ひとつ
僕で慰められるなら、この夜の畔ではあんまり贅沢ねえ
でもね、せんせの物語に添えるよに、とーじろさんの夜のうち
おふたりのためのが僕は良いかしら

お月様と更ける夜、ああ、ほんに
明けるに惜しい、夜だこと